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子育て

わが子のクラスにグレーゾーンの子がいたら親はどうすべき?

わが子のクラスにグレーゾーンの子がいたら親はどうすべき?

新年度が始まり、新しい生活がスタートしていると思います。「先生はどのような方かしら?」「クラスには馴染めるかしら?」など新しい環境について親はいろいろ気なることでしょう。

今回は、「もし、新しいクラスにグレーゾーンの子がいたら…」という場合について、具体例を交えて考えてみたいと思います。

グレーゾーンの子どもたちは案外身近にいる!

最近、ちょっと変わっている子、空気が読めない子、こだわりが強い子、落ち着きがない子など、「ちょっと気になる子がクラスに増えたのでは?」と感じられることはないでしょうか……。特別な支援が必要な子どもが通常の学級に在籍していることが最近は多くなってきています。

グレーゾーンと言われる子どもが同じクラスにいて、「授業中も落ち着きがなく、そのためクラス全体が騒がしくなり、授業が進まない」、また「わが子と感情の行き違いがあったりし、思わぬトラブルに発展した」という話もあわせて耳にするようになってきています。

親としては不安を抱いたり、心配になるのは当然ですね。もしそのようなことがあった場合、親はどのように対応すればよいのでしょうか。

まずは担任の先生への相談を!

やはり担任の先生に相談してみるのがいいでしょう。いきなり校長先生や教育委員会に訴えに行く親も時々いるようですが、それは止めた方がよいと思います。

なぜなら担任の先生を飛ばして、上へ話を持って行くという方法は、その先生との信頼関係が崩れてしまうからです。わが子が、毎日直接お世話になっている先生です。お互いの信頼関係を大切にしながら、対応することを念頭に置いておきましょう。

先生に話す際に気をつけたい5つのポイント

先生に相談するときは、ただ漠然と話すのではなく、次の点に注意して話すようにしましょう。

いつ(何月何日、放課後、授業中など)
どこで(教室、運動場、登下校中など)
どのような場面で(授業中先生の説明を聞いている時、横断歩道を渡ろうとした時など)
どういう言動によって(いきなり立ち上がり歩き出した、ふざけて後ろから押したなど)
わが子が、どのように困った、辛かった、悲しい思いをした(先生の説明が分からなかった、危険な目にあったなど)

きちんと筋道だって説明をしたうえで、わが子が困っている、辛い、悲しいなどの気持ちと状況を明確に伝えることがポイントです。

相手の親に直接話すのもNG!

また中にはトラブルがあった相手の親に直接話そうする親もいますが、それもやめた方がよいでしょう。なぜならその親が、わが子の状態をきちんと把握していない場合もあるからです。そのような時は、親同士の大きなトラブルにもなりかねません。

反対に親が、わが子の発達障害の疑いを感じ悩んでいる場合は、更に追い詰めることもありますので、とても慎重に対応しなければなりません。いずれにせよ、ワンクッション置かれた方がよいでしょう。

グレーゾーンの子ども自身も辛い事を理解しよう

グレーゾーンと言っても、いろいろなタイプがありますので一概には言えませんが、相手の気持ちを理解するのが困難な子は、友達ともコミュニケーションがうまく取れず、誤解も受けやすく、クラスで孤立することも考えられます。

本人は悪気なく行っている言動ですから、理解されない事にその子ども自身も辛く、苦しい思いをしているでしょう。ですのでその辺りも含めて、担任の先生との話の中で、対応策を導き出し、相手の親にも状況を伝えてもらうとよいでしょう。

子どもの頃からさまざまな個性の人と対応できる力を育もう

先ずは発達障がいやグレーゾーンについての理解を子どもが深められるように、説明をしてあげてください。

そのうえで、トラブルの原因となる行為をその子が起こした場合、どうすれば改善されるかを考えましょう。例えば大きな音に過敏に反応する子でしたら、「急に大きな声で話しかけたりしない」など、できるだけ刺激を与えないようにする対応策を導き出せるといいですね。

最近は、「大人の発達障がい」という言葉も聞くようになってきました。将来子どもが社会に出た時、このようにいろいろな個性の人と出会っていきます。その時、戸惑ったり、人間関係に悩まないように、子どもの頃から、ちょっと気になる子への理解や対応の仕方の学びを深めておくことは、貴重な経験になります。

そして親は子どもが友達を思いやる心や、想定外の出来事に遭った時にも前向きに乗り越えていく力を育んでいきたいですね。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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