もうイライラしない!お受験を乗り切るためのアンガーマネージメント的子育てとは?

もうイライラしない!お受験を乗り切るためのアンガーマネージメント的子育てとは?

怒りや悲しみ、劣等感などの感情を適切にコントロールする方法として、ビジネスの世界でここ数年注目を集めている「アンガーマネージメント」。これは、子育てにも通ずる部分があるはず。そこで、これまで10年以上も年長クラスを中心に小学校受験の指導をされてきた、伸芽会 受験局の大久保太郎先生にお話しを伺いました。これから受験を考える親御さんはもちろん、子育て中のママさんの役に立つヒントもいっぱいです!


プロフィール
伸芽会 受験局課長 大久保太郎先生
メリハリのある指導と、的確な分析をもとにしたご家庭への熱いアドバイスで信頼を集める。慶應義塾幼稚舎・横浜初等部、早稲田実業学校初等部、学習院初等科、青山学院初等部、暁星小学校など、毎年多くのお子さまを難関小学校合格へと導く。
日経DUAL記事

感情をコントロールできない子どもが増えている理由

10年以上子どもたちを指導してきていますが、今の子どもたちはキレやすくなっているなと感じることがあります。

たとえば、授業で工作の課題がうまくできなくてキレてしまう子がいます。その理由としては、大きく3つあります。

・当事者意識を持って話を聞いていない
・遊び方が決まっているおもちゃが多く、創意工夫や物事を筋道立てて考える機会が少ない
・親が先回りしてしまって、失敗体験が極端に少ないため、できない自分にイライラしてしまうこと

すると結果的に、自分で考えたり工夫したり、待つことが苦手なキレやすい子になってしまうんですね。親御さんたちには、「できるだけ自分のことは自分でさせてください」とお伝えしていますが、無意識のうちに子どもの鞄を親が持っているなど、自分でできる機会を奪っていることが多いんです。

親に手伝ってもらうのが当たり前では、小学校受験で求められるような“自発的に考える子”にはなりにくいですよね。

NGワード「なんでできないの?」は親の理想を押しつけているだけ

私も子を持つ親としてよくわかりますが、子育ては思い通りにいかないことの連続です。特に小学校受験に取り組まれている場合は、この前できたことができなかったり、集中して取り組めなかったり、約束が守れなかったりと、イライラする機会が多くなりがちです。でも、よく考えてみると、そのイライラ「なんでできないの?」は、親の願いや自分の理想を押しつけていることが原因だったりしませんか。

まず心に留めておいてもらいたいことは、「子どもはできなくて当たり前だ」ということ。まして、経験が少ない5~6歳の年長さんなどは、先を予測したり、文章を聞いて頭でイメージしたりすることもできない年齢です。ですから、「できるように教えてあげるのが大人である」と肝に銘じ、わが子のできる部分を見つけあげてください。そうすることで、主観的なイライラは少し減るのではないでしょうか。

子どもができない理由をきちんと見て、具体的にアドバイスすること!

では、子どもができない課題に直面した際、何と声掛けするのがいいのでしょうか。コツは、子どもをよく見て正しいヒントをだせるかにあります。

たとえば、あるペーパー問題につまづいている子の原因は「問題をよく見ていないか聞いていない」「そもそも興味がない」「マイペースすぎる」などが挙げられます。

・聞いているけれど理解できない→問題文の言葉の意味を細かく理解していく
・問題のどこを見ていいかわからない→指を差しながら一緒に解き、見るポイントを明確にする
・問題に興味がない→親と一緒の体験を増やして、知りたい知識欲を刺激する(どこかに連れて行くだけでは体験にはなりません)
・マイペースすぎる→集中する時間が短いので、1日〇分と具体的な時間を決めて取り組む

など。問題をきちんと把握して、具体的なアドバイスができれば、きっと解決できるはずなんです。

子どもも聞いているつもり、親も子を見ているつもりになっていることがよくあります。

たとえば、親子で一緒に同じTVや本を読んで、わが子が今どんなことに興味や関心があるのか、何をどんな順番で見ているかお子さんの視線をよく観察してみてください。きっと新しい発見があり、イライラの種がまた一つ減ると思います。

目標をビジュアル化して感情を上手にコントロールしよう

具体的な課題が分かったら、目標を紙に書くなどビジュアル化して取り組んでみましょう。

ポイントは目先の課題を2~3つに絞ること。子どもの場合はシールで可視化すると効果的です。たとえば「脱いだ靴を揃える」「朝6時に起きて身支度をする」という約束を、やった(赤)・やらない(黒)・自分からできた(金)・言われてできた(黄色)など、成果を色分けして毎日シールを貼らせるといいでしょう。やらないときも好きじゃない色のシールを貼ると長続きします。もちろん、親御さんも「子どものいい所を3つ見つけて褒める」「ニコニコしてご飯を食べる」など、具体的な目標を紙に書いてみるのもいいかもしれませんね。

漠然とした悩みや不安も、紙に書いて可視化することで、モヤモヤが解消され、負の感情がコントロールできるようになっていきます。

最後に、大久保先生から親御さんへメッセージをいただきました。

「極論ですが、子どもは放っておいても成長します。でも、小学校受験となれば話は別です。とはいえ、親だけが気合いを入れても望ましい結果は出ません。上手に乗り切るコツは、あまり遠くを見すぎず、目先の目標を設定して、地道に親も一緒になって楽しみながら課題に取り組むこと。夫婦や家族が一致団結して具体的な目標設定をし、感情を上手にコントールしながら、頑張りましょう」

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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