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東大卒ママたちが実践する早期英語教育のコツやメリット・デメリット

東大卒ママたちが実践する早期英語教育のコツやメリット・デメリット

小学生の授業にも英語が加わり、ますますグローバル化が進む今、わが子にも早くから英語教育を!と考えていらっしゃる方は多いかと思います。私たちの主催するオンライン講座でも、幼児英語の回はとても人気で、多くの方の英語教育への関心の高さが感じられました。今日は自宅で簡単にできる英語との触れ合い方(初級編)をお伝えしていきたいと思います。

日経DUAL記事

幼児期の英語 早期教育のメリット・デメリット

早い時期に多言語を学ぶと、母国語への混乱を招くといった声も聞きます。そこで、まずは一般的な早期英語教育のメリット・デメリットをまとめてみました。

【メリット】
・脳の発達上、2~5歳は吸収しやすい時期である
・ネイティブの発音やリズムを聞き分けられる
・勉強という意識がなく学べる

脳の発達において、2~5歳はもっとも吸収しやすい時期なので、学習能力は非常に高いと言われています。また、ある研究によると、赤ちゃんは生まれた直後には800もの音を聞き分ける才能があり、どんな言語も習得可能であるものの、成長に伴い頻繁に使う言語の習得へと変化していくことがわかっています。

ですから、幼児期に複数の言語を学ぶことで、ネイティブに近い発音やリズムが身につくのです。これは大人になってからだと苦労するので、より早い時期に習得させたいと考える人が多いようです。

さらに、幼児期は、「勉強している」という意識がないので、日本語を覚えるような感覚で、自然と英語を身につけられるのもこの時期に学ぶメリットと言えます。

【デメリット】
・発語が遅くなる
・母国語の習得もしっかりとする
・日本語と英語を話す相手を使い分けるとよい

ワシントン大学の研究者ナイヤ・ラミレス氏は、バイリンガル家庭とモノリンガル(1つの言葉だけを習得している人)家庭との子どもを比較した研究で、「幼少期から2ヵ国語を学んだ子どもは両方の言語が母国語になりうる」と結論付けました。赤ちゃんの脳は、同時に2つの言語を学ぶことができるのです。

ただし、同時に2つの言語を学んでいると、発語する時期が遅いという傾向があります。ただし、これは一時的なものだとされています。

また、日本人であれば母国語となる日本語の語彙力や表現力も意識的に学ぶことが大切です。脳内で、日本語と英語がごちゃまぜにならないためにも、例えばスクールの先生とは英語でコミュニケーションをする、お母さんとは日本語で話すなど、話す言語を相手によってしっかりと使い分けることもおすすめです。

以下、東大卒ママの会さんに早期英語教育のコツをアドバイスいただきました。

0歳からでも早すぎない!幼児だから受け入れやすい親子英語

「まだ日本語も話せない0歳。英語を始めるのは早すぎますか?」というご質問を多く頂きます。私たちの著書『東大脳を育てる3歳までの習慣』にも書きましたが、日本人の赤ちゃんにも生後6〜8ヵ月の頃は、英語特有の音を聞き分ける力が備わっているようです。(※1)

幼少期だからこそ、自然と英語の音に慣れ、新しい言語・世界観を受け入れることができるのではないでしょうか。幸い、現代では無料のアプリや手軽に手に入る教材がたくさんあります。それらを有効に使って、日常生活や遊びに少しでも英語を取り入れてあげることで、英語が身近なものになるはずです。

親が“教え”なくても大丈夫!親子英語は一緒に“楽しむ”

「親である自分が英語は苦手。子どもに教えられません。」という方も多くいらっしゃると思います。そんな時は”教える”のではなく、子どもと一緒に“楽しみ”、一緒に“学ぶ”という姿勢で取り組まれると良いのではないかと思います。絵本で分からない単語があれば一緒に調べてみたり、一緒に童謡の歌詞を覚えて歌ってみたり。子どもが少し大きくなったら、英語のゲームなどで競争してみても良いでしょう。

親子で一緒に過ごせる時間がたくさんあるのも、幼少期ならでは。英語に限りませんが、親が楽しそうに学んでいる姿を見て、子どもも「やってみよう!」という気持ちになるはずです。

お手軽に使える、幼児英語の三種の神器

お子さんの英語教育に興味はあっても、始め方がわからないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。今回は、初めて英語に触れるお子さんにおすすめの、“三種の神器”を活用した幼児英語の取り入れ方をご紹介します。

その1 YouTubeやアニメを一緒に見て、聞いて、口ずさむ

一番手軽に、親子の英語時間に取り入れやすいのが、無料のYouTube。『Nursery rhyme』と検索すると、現地の子ども達にも親しまれている英語の童謡がたくさん出てきます。なかでも、『Cocomelon』や『BabyBus』というチャンネルは、東大卒ママの会でも人気!音楽遊びは赤ちゃんの言語能力の発達を促すと言われており(※2)、特に同じフレーズを同じリズムで繰り返す『Nursery rhyme』は、子どもの耳に残りやすいようです。忙しいときはお皿洗いなどしながらでも、子どもと口ずさんでみると良いでしょう。

歌の他に、英語が初めての子も楽しめるのが、映像でストーリーを追えるアニメ。わが家では、子どもがお気に入りアニメを繰り返し見て、英語のフレーズを覚えていました。

その2 英語絵本を読み聞かせる

初めての英語絵本には、絵が大きく読みやすいボードブックタイプがおすすめ。動物や食べ物、日常生活についてなど、子どもが好きな、馴染みのあるテーマを選ぶと、子どもも英語絵本の世界に入りやすいです。読み方が不安な場合は、読み聞かせCDや動画を流し、絵を指差しながら一緒に絵本を眺めましょう。

その3 アプリを使って、英語学習をゲーム感覚に

楽しみながら英語に触れるという点では、英語教育系アプリも便利です。東大卒ママの会で人気の『Khan Academy Kids』や『Starfall.com』には、フォニックスや英単語を学べるゲームが盛りだくさん。自分の発音に不安のある方こそ、ぜひ活用してみてください。アプリは時間を決めて、他の教材と組み合わせて使うのがおすすめです。

おもちゃを活用!英単語はイメージと繋げてインプット

日常生活ではなかなか触れられないからこそ、英語を使うときには英単語とその単語が表すイメージを積極的に結びつけてあげることが、英語をインプットさせるときのコツ。そして、そんなときに活躍するのが、子どもが普段から遊んでいるおもちゃです!

例えば、
・bigやsmallが出てきたら、大きなブロックと小さなブロックを比べる
・redが出てきたら、おままごとのトマトやリンゴを集める
・onやunderなど位置関係を表す前置詞が出てきたら、ぬいぐるみを机の上や下に置く
・jumpやturn aroundなど動作の単語が出てきたら、ぬいぐるみをジャンプさせたり振り向かせたりする(ママとお子さんで実際にその動作をするのも楽しいです!)

実際、アメリカでは他国の子どもに英語を教えるクラスで、身近な物を使って言葉のイメージを膨らませるレッスンも行われています。

幼児期にこそ、英語の日本語訳を覚えさせるより、イメージと結びつけて英単語をインプットさせてあげたいですね。

英語は無理に喋らせない。アウトプットは焦らなくて大丈夫

子どもを英語に触れさせ始めると、すぐに英語を喋れるようになるのでは?という期待から、「〇〇って英語で言ってみて」「Apple だよ、Appleって言える?」などとついつい言ってしまいがちです。

ですが、子どもに限らず大人でも、よくわからない言葉を何度も言わされるのは面白くないですよね…。子どもが”英語=つまらないもの”だと思ってしまうと、英語に触れるのを嫌がったり、英語が流れていても聞こうとしなくなったりしてしまいます。

言葉のアウトプットのタイミングは子どもによってそれぞれ。ですので、特に英語の導入期には、英語を聞くインプットに重点を置き、親は子どものアウトプットに過度な期待をしないことが大切。子どもが英語を繰り返してくれたら、喋ってくれたら、ラッキー!くらいの気持ちで構えていましょう。

【最後に】

早期英語教育のヒント、いかがでしたか? “英語は楽しいもの。世界を広げてくれるもの”。親子でそう感じることが、お子さんの英語への興味や理解の素地を築いていくのだと思います。まずは一緒に楽しく英語に触れることから始めてみてくださいね!

(※1)Kuhl K Patricia.: “Early Language Learning and Literacy”. Neuroscience Implications for Education, Mind, Brain and Education. Vol. 5, Issue 3: 2011, pp. 128-142
(※2)Zhao Christina T, Kuhl Patricia K.: “Musical intervention enhances infants’ neural processing of temporal structure in music and speech”. Proceedings of the National Academy of Sciences. vol. 113(19): 2016, pp. 5212-5217

プロフィール
ai
4歳男の子と2歳女の子を育てるワーママ。自身も子どもも帰国子女で、米国では英語教授法の資格を取得。週末、子どもと外で体を動かし遊ぶ時間が大好きです!

yuu
4歳の男の子を育てるワーママ。朝の30分を活用して子どもとの知育時間を楽しんでいます。趣味は海外旅行ですが今は行けないので、週末に近場の自然を探して子どもと一緒に遊ぶことが楽しみです!インスタでも知育情報やワーママライフを発信中 https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja

著者プロフィール

東京大学卒業(2011年~2012年度)の現役子育てグループ。主要メンバーは7名。東大OBOGたちへのヒアリングやアンケートを基に「東大生の幼少期の習慣」を分析し、現役ママの目線も取り入れて、“今すぐできる幼児教育”の実践方法を提案している。著書に『東大脳を育てる3歳までの習慣』(小学館)がある。SNSでも実践中の知育や自分たちの経験談を発信中。
https://www.instagram.com/todaimoms/
https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja

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