ドイツで人気のお稽古はあの動物が大活躍!おすすめの理由とは?

ドイツで人気のお稽古はあの動物が大活躍!おすすめの理由とは?

子どもにどんなお稽古が向いているのか、子どもがどんなお稽古をしたいのかは、子育て中の親にとって国を問わず重要なテーマだと思います。

ドイツで人気のお稽古の一つに乗馬があり、とくに女の子には絶大な人気があります。数あるオリンピック競技の種目中、馬術は唯一、人と動物が一緒に競技する種目で、ドイツは馬術の強豪国です。

その背景には、子どもの頃から乗馬に親しむ人口が多いということもあるようです。動物や自然と関わることで、心身共に総合的な学びを得られるお稽古である乗馬の魅力を紹介します。

日経DUAL記事

ドイツの玩具売り場は馬で溢れている

ドイツの玩具売り場で目にするのは、欧州発のレゴやプレイモービルをはじめテレビや映画の人気キャラクター商品などで、基本的には日本の玩具売り場とあまり変わりません。その中なかで日本と全く違う点は、馬に関連する玩具の種類や数がとても多いことです。

ドイツではどの玩具メーカーも馬関係の玩具を豊富に取り入れ、わが家の子どもたちもさまざまなメーカーの馬の玩具を使って乗馬ごっこや馬のお世話ごっこ、競技会ごっこの遊びをひっきりなしにしています。筆者は子どもの頃、馬の玩具で遊ぶということを全くしたことがなかったので、身近なカルチャーショックでした。


エンドレス(?)に増えるさまざまな馬の玩具

ドイツで馬が好まれる背景には、都市と自然との距離が近いことや、自然の一部に乗馬クラブがあり、そうした環境で子どもたちは幼少の頃から馬を見たり乗馬をしたりしていることが挙げられます。

友人の子どもが通う保育園では、気候のよい春と夏の間は週に1度保育士さんたちが2歳児以上の子どもたちをベルリンの市バスに乗せ、30~40分かけてポニー乗馬に連れて行っています。

最初に聞いたときは、2歳児からもう乗馬をするということや、毎週わざわざ30分以上かけて行くということに驚いたものです。ところが、子どもたちも親たちも毎週その日をとても楽しみにしていると聞きました。

馬の世話や厩舎の掃除もお稽古の一部であり、乗馬の魅力

さて、お稽古としての乗馬は圧倒的に女の子たちに人気があります。わが家も例外ではなく、子どもたちは馬が大好きなので、学校が休みの時期や週末に乗馬をしに行きます。

ただ、馬は生き物なので世話が必要であり、子どもたちは乗馬する前後に馬のお手入れをしなくてはなりません。

ときによっては厩舎や放牧場のお掃除やわらの交換なども行ない、馬と馬小屋はきれいになる一方で子どもたちは上から下までしっかり汚れてレッスンが終了という場合もあります。

自分の部屋の掃除すらなかなかしたがらない子どもたちが、厩舎の掃除には喜々としているのを見るのは、何か不思議な気がしないでもありません。

子どもたちにとって乗馬の魅力とは、馬上では目線が高いので歩いたり自転車に乗ったりとは違った感覚を味わえることや、大きな動物と触れあえること、自然のなかで気分がよいこと、乗せてもらったら世話をしてお返しするという責任感や達成感が味わえることなどでしょうか。

親目線で見ると、子どもがからだを鍛えられることや動物を含む環境に対する認識が高まること、馬による癒やしの効果もあることなど、フィジカル・メンタル両面で成長してくれそうなのが魅力だと思います。

そうした利点から、乗馬はお稽古事やスポーツだけではなく、病人などを癒やすためのホース・セラピーとしても役立てられています。


馬との触れあい(お世話)もお稽古の一部

お稽古で気がかりな道具・服装や乗馬費用は?

必要な道具が多そう、費用がかかりそう…と、乗馬には何となく敷居が高そうな印象がありますが、お稽古には何が必要なのでしょうか?

競技会などに出るのではなければ、子どものお稽古で必要なのは乗馬用ヘルメットと乗馬用ブーツ(ちょっと踵のある普段履きの短いブーツや長靴も可)くらいで、基本的にはドイツも日本もクラブに貸し出し用のものが用意されていると思います。

服装についても、馬術競技では競技会用のブレザーやズボンなどを身に着けて騎乗していますが、通常は普段着のTシャツやポロシャツ、レギンスやスパッツなどだぶつきのないズボンなどで大丈夫です。

乗馬は危険を伴うお稽古でもあるので、人によっては落馬した際に衝撃を和らげる乗馬用ベストを着用している場合もあります。

親としてもう1つ気がかりな点は、お稽古の費用かもしれません。筆者がこれまでドイツでお世話になった場所では、子どもの4人が参加する不定期の1.5~2時間の乗馬(及び馬のお世話)で子ども一人あたり20€(約2,400円)でした。

クラブに入り定期的にお稽古する場合は入会料80€(約9,600円)と週1回で月会費70€(約8,400円)で、夏休みなどの月~金曜日の1日6時間の集中乗馬コースは250~470€(約3万円~5万6,000円)となっています。


お稽古では外乗りレッスンに出ることも

手頃な価格で敷居が低いお稽古乗馬クラブは日本にもある

日本では乗馬はかなり高額な印象があるかもしれませんが、子どものお稽古ごと程度であれば必ずしもそうではないようです。

わが家の子どもたちが日本滞在中にお世話になった小さめのクラブでは、乗馬1回あたりの金額はドイツでの不適期の乗馬レッスン代とあまり変わらず、しかもとても手厚く教えてくれました。

乗馬のお稽古はフィジカル・メンタル双方の面において、子どもの成長をサポートしてくれると思います。日本ではまだマイナー感があったり、敷居が高い印象があったりするかもしれませんが、この記事で乗馬の魅力を少しでもお伝えできたとしたら嬉しいです。

【参考URL】
http://horse-riding-brog.com/zyouba2/syoshinsha54.html
https://www.horse-therapy.info/
https://reittherapie-verband.de/
https://www.facebook.com/reiten.de
https://kinderreitschule-berlin.de/ueber-den-kjrfv-zehlendorf-e-v/mitgliedschaft-preise/
http://schaeferhof.net/termine/

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE

関連記事

新着記事