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小学校受験に落ちる子のタイプとは? 特徴を知って正しい対策を!

小学校受験に落ちる子のタイプとは? 特徴を知って正しい対策を!

小学校受験に合格する子の特徴は学校によって求める子のタイプが異なるためさまざまですが、「落ちる子」にはある共通点があるようです。そこで、「小学校受験に合格しない子の特徴」についてまとめてみたいと思います。お話を伺ったのは、伸芽会の牛窪先生です。


牛窪先生
受験指導歴42年。楽しいお話でお子様や保護者から親しまれる人気教師。慶應幼稚舎、暁星小学校に300名超、横浜雙葉小、精華小に300名超など、合格実績多数。

 

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受かる子と落ちる子の違いは「3つの気持ち」を持っているかどうか

__小学校受験に受かる子と落ちる子にはどんな違いがあるのでしょうか?

長年小学校受験を指導してきて感じるのは、合格する子は教師が「教えてみたい子」つまり、落ちる子は「教えてみたいと思えない子」だといえます。

小学校入試で求められる要素としては、以下の3つの気持ちを持てることが大切です。
・自分以外のリズムテンポに合わせる
・自分以外の気持ちになる
・自分以外の観点で見る

幼稚園だと「あなたはどう思いますか?」と問われるのに対し小学校では「相手はどう思うと思いますか?」と問われます。また体育では、ケンケンを先生のリズムや印に合わせてできることも必要です。

つまり、以上の3つの気持ちを身につけていると集団に適応しやすいことになります。ですから、これらの3つの気持ちを身につけていない場合は合格しない可能性が高くなります。

「親からタブーを言われすぎてストレス過多」状態もキケン

__落ちる子の特徴とは具体的にどんなことがあげられますか?

「お教室ではあんなにできたのになぜ不合格!?」という子。そんな子たちには「実力を出す力が足りない」ということがあります。

実力を出す力には「緊張しないでできること」も含まれます。
緊張するのは大きくわけて2種類あります。
理由① いわゆる「本番」で緊張している
理由② 親から「あれしちゃだめよ」などタブーをたくさん言われ過ぎて動けない

これらの対処法ですが、理由①については大人でも経験することですから、とにかく経験値を上げていくこと。試験に慣れることで緊張を克服できます。

私が特に注意したいのが理由②中でも、上の子で小学校受験を経験されたケースです。下の子はお兄ちゃんお姉ちゃんがどんな勉強をして、どんな叱られ方をしてきたかなどを間近で疑似体験しているため、第一子の子と比べると無意識のうちにストレスがかかっている状態なのです。

さらに、親御さんも上の子でうまくいかなかったことを下の子に注意しすぎて、試験場でしてはいけないこと、タブーだらけになってしまいます。この状況に耐え本来の実力をだし合格できる子は10人に1人位でしょう。「タブーだらけ」は第一子も同様です。

仮に上の子で「こうやって合格した」という成功体験を押し付けても、下の子に当てはまるとは限りません。そうならないための対策としては、「下の子を別人格だと思うこと」です。そして2番目は労力・気遣いは1/2ではなく2倍必要と考えましょう。

「合格の条件=実力×実力を出す力」である!

私は合格は、実力(基礎力・総合力)×実力を出す力(応用力・実践力)という掛け算で決まると考えています。

例えば、いつもプリントは少人数で行うとノーミス(実力=1.5)だけれども、5人を超える集団だと精神的に不安定となる(実力を出す力=0.6)

1.5 × 0.6 =0.9 < 1

反対にまだ領域的には弱いところがある(実力=0.8)が、自分で考え、行動に移す姿勢がある(実力を出す力=1.3)

0.8 × 1.3 =1.24 > 1

本番までに「いろいろなことを知っている」「正確に数が数えられる」などなどの実力を養うことは当然大切ですが、「言われた通りに行動させる指導」だけを続けると、いつものように指示を出してくれる人(保護者)がいないと、不安で本来の実力が発揮できなくなってしまいますので、注意してください。

試験本番で「悪目立ち」してしまう子の特徴

集団の試験の中で残念ながら「悪目立ち」してしまう子がいます。私は大きく3つの特徴があると考えています。

特徴1 キョロキョロする子

自分が正解をしていても周りが気になってキョロキョロしてしまう子がいます。「これで合っているか確認したい」「間違えたくない」「間違えてお母さんに叱られたくない」などがその理由です。

過去に女子校の試験で、「お手本どおりにおはじきを並べる」という課題を丸いテーブルを数人で囲んで行ったことがありました。他の子が丸見えの環境で、自分のことだけに集中できる子か周りが気になりキョロキョロする子か明確にわかります。生活の中で、些細なことでも自信を持って行動に移す、行動する習慣をつけましょう。

特徴2 自信を持って行動できない子

難関校ほど「自分で考えて行動できる子」を求める傾向にあります。例えば運動の指示行動で、「最初はケンケン、次はケンパーをしなさい。」言われた時、よく、最初の子が間違えたら2番目以降の子がずっと間違えてしまうというケースがありますが、たとえ前の子が間違えたとしても、自信をもって言われた通りの行動をとれる子は合格します。流されてしまう子は不合格となってしまうのです。

特徴3 他の子を気にかけられない子

指示通りに動けるだけではなく、周りの状況も見えているかも問われます。たとえば、ボール送りゲームで、前か後ろかボールが来る方向をしっかりと見ていないと、自分の番が来てもスムーズに次の人へボールを渡すことができなくなります。「今自分は何をするべきか」「どっちを見るか」を先生たちは見ているのです。「ボール来たよ」と言われないと動けない子は周りが見えておらず状況判断ができていないとみなされてしまいます。

家庭でわが子の弱点を強味に変える方法

弱点はお子さんのタイプによって対応が異なりますが、ここでは「エネルギッシュな男の子」と「恥ずかしがりやな女の子」に分けて考えてアドバイスしたいと思います。

【エネルギッシュな男の子の場合】

どんな子でも集中力のない子はいません。元気のいい子は集中力を妨げるエネルギーが豊富なだけです。集中力を妨げないためには遊ぶエネルギーを使い果たすこと。こういう子の場合、特に幼児は、我慢して席に座って勉強することは難しいので、1時間の勉強のうち10~15分は運動させてからやるといいでしょう。「体育の授業の合間に算数や国語をやる」くらいのイメージです。さらに、課題を「やったら遊んでいいよ」だとノルマに感じてしまうので、「遊んだからやりましょう」が正解です。遊び疲れてやったとしても、さほど能率は変わりません。

【恥ずかしがりやな女の子の場合】

どちらかといえば、大人しく引っ込み思案な子の方が対応策は難しいものです。一般的には「扱いやすい子」と言われるお子さんかもしれません。

「もじもじして話せない」「自分から行動できない」「語彙力が少ない」などの悩みがある場合は、お母さんお父さんがご家庭で積極的に会話したり行動している様子をお子さんに見せたり、お子さんに自由にやっていい環境を作っていくことで徐々に克服していくはずです。語彙力に関しては普段の会話でも、「これ食べる?」(うなずくだけ)ではなく、「何食べたい?どっちがいい?」と意思表示させる習慣をつけていきましょう。

動さや作業が遅い子、しゃべらない子は普段の生活で急ぐ必要がない、しゃべる必要がない子です。そこを改めて見直すとおのずと今すべきことが見えてくると思います。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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