公開 / 更新
受験

お受験のプロがアドバイス!「わが子にあった小学校の選び方」

お受験のプロがアドバイス!「わが子にあった小学校の選び方」

小学校入学を前に、わが子は公立か私立か国立かインターナショナルスクールがいいのか、悩まれているご家庭が多いと思います。そこで今回は、それぞれの特長やメリット・デメリットを解説するとともに、わが子にあった学校の選ぶコツもお伝えしていきます。

お話を伺ったのは、伸芽’Sクラブ託児局で保護者からの子育て相談や受験カウンセリングを行っている小学校選びのスペシャリスト河原理恵さんです!


伸芽’Sクラブ 教育相談室課長 河原理恵さん
伸芽会教育相談室歴10年。元高校教師として、母として自身の豊富な経験をもとに、働くお父様お母様はもちろん、子育て中や妊娠中の親御さんが笑顔になれるアドバイスを心がけている。

 

まずは、私立や国立、公立の違いなど、小学校の特徴について基本的なことをまとめてみました。

日経DUAL記事

小学校の種類と特長

小学校には公立と私立、国立、その他(インターナショナルスクール、オルタナティブスク―ルなど)に分かれる。文科省の「令和2年度学校基本調査」によると、全国の小学校数は1万9526校。そのうち公立が1万9218校で私立は240校、国立が68校と圧倒的に公立小学校が多い。

【公立小学校】

(特長)
公立小学校は国が定めた教育の質が確保されている教育機関。多くが教員免許を持つ地方公務員の先生で、文科省から定められたカリキュラムに沿って一律に等しい授業が行われる。また、地域性はあるものの、私立や国立と比べ、国籍や家庭環境、考え方などさまざまなバックグラウンドを持つ子どもが通うため、世の中の縮図を体感できる。住民票がある学区内の小学校から選べる場合も。

(費用)
公立小学校では授業料は無料だが、教材費や給食費などの学校教育費が年間で10万円程度、6年間で36万円ほどかかる(学童保育費は別)。

(ポイント)
最近は公立小学校でも、最先端の教育を取り入れたり、番町小学校や白金小学校、青南小学校といった難関中学に合格者を輩出する「名門公立小」と呼ばれる学校も増えている。少しでもいい教育をと考えその学区に引っ越す人も。

【私立小学校】

(特長)
私立の中にも女子校、男子校、一貫校とさまざまあり、「礼儀を重んじる」「個性を伸ばす」「カトリック教育」「自由でのびのび」「文武両道」など創立者の建学の精神を反映させた独自の学びを掲げているのが私学の特長。低学年から専科制、充実した設備や宿泊行事などを通して専門性の高い体験学習を取り入れている点が公立校との一番の違いと言える。

(費用)
私学の場合、初年度は学費以外に入学金や維持費、制服代に教材費などがあるため、平均で約100万円前後、さらに寄付金が加わるところも。

(ポイント)
私立小学校の入学試験は年長の秋(10月前後)。学校により、ペーパー試験、集団課題、運動課題、面接など内容はさまざまなため、その対策として幼児教室に試験の1年前(年中の11月)から通われる子が多い。

【国立小学校】

(特長)
国立小学校は、国が定める教育研究機関。教育大学の実験校という位置付けなので、その年募集する生徒の特性が変わる場合も。また、担任の先生は教科の専門を持っているため、クラスによって力を入れる科目が異なる場合もある。新しい取り組みが多く教師と積極的に関わってくれる生徒を望むため、コミュニケーション能力や積極性に優れた子が多いと言われている。

(費用)
私学と比べると圧倒的に学費が安いため、毎年数十倍と高い倍率なのも国立小学校の特色のひとつ。

(ポイント)
私学との一番の違いとしては、受験できる学校が居住地により決められていることと、公平性を保つ意味で試験に抽選があること。また、入学後に保護者の協力参加が求められる機会が多いため、共働き世帯ではその辺りも確認が必要。

【その他の小学校】

(特長)
英語教育に特化した「インターナショナルスクール」やモンテッソーリ教育、シュタイナー教育などを打ち出した「オルタナティブスクール」など、画一的になりがちな日本の公教育にとらわれない独自のカリキュラムが魅力。

(費用)
立地や内容によりかなり幅広いが、私立小学校並みかそれ以上の費用がかかる場合も。

(ポイント)
一部の学校では、一条校(文科省が示す教育要領・学習指導要領)として認可されていない場合もあるので、卒業後の進路についても入学前に考えおく必要がある。また、インターナショナルスクールでは学校に応じた英語力が問う試験が行われるため、未就学児から英語に特化した幼稚園やスクールなどで学ぶ必要も。

以下、伸芽’Sクラブの河原さんに、小学校を選ぶ上で親が意識したいポイントをアドバイスいただきました!

わが子に合った小学校の見つけ方

ポイント①見学するうちにビビッとくる学校が見つかる!

「どの学校がいいのか決められない」という場合は、多くの学校を見学に行くことをおすすめしています。そうするうちに「ここだ!」という、いわゆる「ビビッ」とくる学校があるものです。

ポイント②校長先生の考えに共感できるか

私立や国立小学校には建学の精神がありますが、それを最も分かりやすく感じられるのが校長先生です。校長先生の考え方=「その学校の方針である」と言えるくらい重要です。ぜひ学校説明会では、校長先生の考え方や人柄に共感できるかも重要視するといいでしょう。

ポイント③学びたい設備や環境かどうか

「広いグラウンドで思い切り運動させたい」「自然豊かな落ち着いた環境で学ばせたい」「充実した図書館で幅広い知識を」「明るく開放的な教室でのびのび学ばせたい」「伝統ある聖堂でキリスト教の精神を」「環境豊かなビオトープで自然観察を」など、その学校ならではの環境や施設も比較検討してみましょう。もちろん通うのはお子さんですから、お子さんの意向や通学に無理のない距離かも重視しましょう。

ポイント④どんな在校生や卒業生がいるか

どんな先生がいるかも大事ですが、わが子が大事な小学生の6年間(一貫校なら12年間)をその学校で過ごすと、どんな子に成長していくのかも考えてみましょう。実際に通う在校生や卒業生の活躍を見たり話を聞くことで、リアルにイメージできるはずです。

わが家の教育方針をどう決めればいいか

小学校を選ぶ際には「その家庭の教育方針」が大事だと言われます。でも、一般的なご家庭がたった4~5年育てたわが子を見て「将来の教育方針はこれだ!」と大きなビジョンを掲げるのは難しいことでしょう。私は小学校を選ぶ上での教育方針は「世界で活躍する子に」「困っている人を助けられる医師に」など必ずしも明確でなくてもいいと思っています。

たとえば
「絶対に小学校受験をしない」
「国立小に通わせたい」
「私立小学校に通わせたい」

これも立派な家庭の教育方針です。

もし「小学校受験をさせたい!」と思ったら次に、「どんな子になってほしいか」「どんな学校に通わせたいか」を考えていきましょう。

その際、今の「わが子に合うかどうか」だけで決める必要はありません。

たとえば伝統ある女子校の教育方針がとても気に入ってぜひ通わせたいけれど、「うちの子は活発だから向いていない」などと決めつける必要はありません(女子校にも活発なお子さんはいらっしゃいます)。

「指示されるのがとにかく嫌だ」というお子さんには、伝統と規律を重んじる学校よりも自由で伸び伸びとした学校の方が向いているといった「合う合わない」はありますが、多くはお子さんがそのように育つものです。

お受験するなら「親がいいと思う学校」でOK

小学校受験においては、5~6歳の子が学校の特色を理解して「この学校に行きたい!」と選ぶのは難しため、結果的に親御さんが「この学校に通わせたい」と気にった学校に通わせることになります。そんな小学校受験のメリットはずばり「友達」と言っても過言ではありません。高い学力を身につけさせたいのであれば中学受験からでもいいですが、小中高の12年間を、自分と同じような家庭環境や考え方のお友達と過ごすことで得られる、家族のような存在がいるというのは、その後の人生においてとても価値のあるものです。

ですから、親御さんが「わが子がこんな仲間に囲まれて育ってほしい」と思える学校こそがそのご家庭が目指す学校であり、そこで学ぶことが家族にとって幸せになるとも言えるのです。

受験が必要な学校の準備方法

「わが子をこの学校に通わせたい」そんな学校が見つかったとしても、学校からも選ばれないと通うことができません。ですから、そのために幼児教室に通うなどしてその学校に見合った力(学ぶ姿勢や生活習慣など)を備える準備をしていきます。

合格する子のベースはどの学校も一緒

とはいえ、長く小学校受験を指導していて感じるのは「誰が見てもいいなと思う子」は同じであり、受かる子は複数の学校に合格していくということ。つまり学校側が「通ってほしい魅力的なお子さん」のベースは一緒なのです。

短期決戦ならば、その学校の試験を突破するために効率的な準備をしていくケースもありますが、多くの場合は年少の秋など試験の2年ほど前から総合的に受験準備をしていきます。小学校受験のベースができてきたら、最後にオプションで志望校の特色に合う対策を加えていけばいいのです。

ですから途中で志望校が変わってもそう慌てる必要はありません。

いかがでしたか。
「もし最終的に小学校受験をしないとなったとしても、これらの準備期間で得た、小学以降で学ぶ土台や考える力、小学校生活を過ごすために必要な生活習慣、そしてお子さんの将来についてご家族で真剣に考えた時間は決して無駄にはならないはずです」と河原さん。

お受験対応型の託児保育「伸芽’Sクラブ」(https://www.shinga-s-club.jp/)では、週2回から既存の幼稚園や保育園と並行して通うことも可能です。「情報が多くてわが子に合う学校や家庭の方針が定まらない」という場合は、習い事感覚で通ってプロによるカウンセリングを月1回受けながら、総合的にわが子の小学校を一緒に選んでいくというご家庭も増えているそうです。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
Twitter、Facebookも更新中!ぜひフォローください♪

  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE
【イベント情報】「小学校・幼稚園選び相談」お申し込み受付中!
伸芽会ではお子さまの将来を見据えた、小学校・幼稚園選びについてのご相談を承ります。 伸芽会教育研究所が収集・分析した最新の入試情報を基に、志望校・志望園合格に向けての具体的なアドバイスもさせていただきます。


▼小学校受験をこれからお考えの皆様に、最初に必ず知っておきたいことをまとめた連載コンテンツがこちら!

関連記事

新着記事