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小学校受験専門の絵画教室ではどんなことを学ぶのか

小学校受験専門の絵画教室ではどんなことを学ぶのか

小学校受験ではペーパー試験の他に、工作や絵画の試験がある学校があります。そのため、小学校受験専門の絵画教室で対策をする方も少なくありません。そこで今回は、伸芽会の「受験アトリエクラス」では実際にどんな授業をしているのか、さらに家庭で絵画対策を行う際のポイントをまとめてみました。

お話を伺ったのは、伸芽会「受験アトリエクラス」で年中クラスを指導される澤口先生と年長クラスの小山先生です。


伸芽会受験アトリエクラス講師の写真(左)小山美咲先生、写真(右)澤口麻美先生。
ともに幼児教育・絵画指導歴約7年。
「絵画や制作を通して子どもたちとともに発見や体験を楽しめる声がけを心がけています」(小山先生)
「笑顔でひとりひとりに心を込めた対応をするよう心がけております」(澤口先生)

 

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習い事のアート教室とお受験絵画教室との違い

__習い事の「アート教室」と「お受験絵画教室」はどんなところが違うのでしょうか?

小山先生:アート教室には絵を描いたりモノ作りが好きな子が、自由に表現をする場所。そのため独創性や個性をどんどん伸ばすというスタイルです。

澤口先生:一方の受験絵画教室では、絵が好きな子もいれば苦手な子もいます。そして一番の特徴は、「年長の11月の試験までに自分の思ったこと、感じたことを絵で表現できるようになる」という目標があること。ですからそのために何をすべきかというカリキュラムが組まれていきます。限られた時間の中で求められる表現をするためには、描画力と自信をもって表現できる力、さらに出題の意味を理解できる力も重要です。

小山先生:表現力だけではなく、行動観察的な要素が含まれるのも受験絵画の特徴です。たとえば、「話を聞いてから作業する」「正しい姿勢で取り組む」「できたものを自分の言葉で発表する」などです。

__どんな方が受験絵画教室を受講していますか?

澤口先生:絵画が苦手で親御さんもどう教えたらいいか分からないという方や、絵画が好きなので、それを通して表現力を伸ばしたいという方も受講していただいています。また、子どもに自信をつけるために絵画に取り組まれる方もいらっしゃいます。

慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部etc.入試ではどんな絵画の試験が行われるのか

__入試ではどんな学校でどんな絵画の課題が出題されるのでしょうか。

小山先生:その年によって変わりますが、よく出題される学校としては慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部、早稲田実業学校初等部などがあげられます。

澤口先生:慶應義塾幼稚舎では、「工作を作りそれを自分が使っている絵を描く」など、単に絵を描いて終わりではない課題が特徴です。どんな工夫をしたのか、どう使うかなどを考えて楽しみながら表現し、それを相手に伝える力が求められます。また、作業中に先生方から質問されるので、その受け答えも考査の大きなポイントとなるようです。

小山先生:早稲田実業学校初等部では、「風邪をひいたお母さんに届けたいものは?」などのお話に沿った絵を描きます。話を聞いて自分の経験と結びつけて表現する力も問われます。

学校側が入試の絵画課題でどんなことを見ているの?

__小学校入試の絵画課題で、学校側はどんなことを見ているのでしょうか

澤口先生:学校側は絵の上手さやテクニックよりも、絵を通して、そのお子さんの表現力や想像力、家庭での生活の様子を見たいと思っていると考えています。

小山先生:慶應義塾幼稚舎では、先生方が「何を描いているんですか?」などと声をかけられますが、その際に手を止めて先生方の方を向いて受け答えられるかも大切です。たとえ全部描き終わらなくても、合格に至ったケースはたくさんあります。

澤口先生:集団で絵画制作の課題に取り組む試験であれば、分け隔てなく皆に声をかけられたり、道具を譲り合いながら使えるかなど、協調性や意見をまとめながら課題をすすめていくリーダーシップ力などを見ています。学校の求めるお子さま像によって出題方法も変わってきます。

伸芽会「受験アトリエクラス」で学べること

__伸芽会の受験アトリエクラスではどんなことを学ぶのでしょうか?

澤口先生:年齢や個々の発達度合いによって学ぶ内容が異なってきますが、まず基本的なこととしては
・指示通りに動けること
・道具を正しく使えること
・机上整理ができること

を習慣づけます。もちろんのりやハサミなどを上手に使える「巧緻性」や何を描いたかなどを相手に伝える「言語表現力」、さらに集中力や粘り強さといった「非認知能力」も身につけていきます。

教室に入ったら先生から「一番前の左から2列目の席にすわってください」「鞄を机の右にかけてスケッチブックとクレヨンを出してスケッチブックは机の中に入れてください」などの指示に従って席につきます。(年中さんでも上手にできていました!)

年中の授業では、「お話をよく聞いて順序通り作業できること」も大切です。何を描いたか聞かれたら「私は〇〇を描きました」と発表までできると素晴らしいですね。


小山先生:年長になると、さらに高度なことに挑戦していきます。たとえば、「食べ物の絵」にしてもオムライス1品を描くのではなく、サラダやお茶、お箸といった食卓を表現したり、どんぶりやコップを立体的に描けるとワクワクしますね。これはその情景をよりわかりやすく表現する力を養うことにつながります。
さらに、自分の描いた絵を発表するだけでなく、お友達の発表を聞いて共感する経験や、色水遊び実験では、「混ぜると何色になるか」「混ぜるためにコップはいくつ必要か」といった考える力も学んでいきます。

こちらは和紙を使って色水を吸わせながら綺麗な模様を作る実験。手順通りに真剣に取り組み、紙を広げると「わーすごい!」と感動している姿が可愛らしかったです。出来上がった作品は乾かして翌週工作に使用するそう。

家庭で絵画対策を行う際の注意点

__家庭で絵画対策に取り組む際、親はどんなことを意識すればいいでしょうか。

小山先生:難しく考えずに、まずは〇△□といった簡単な形からいろいろなものが描ける練習をするといいと思います。〇はお顔→トマトなどの丸い食べ物→繋げて芋虫にするなどアレンジしていけば描けるものがどんどん増えていきます。
その次は、たとえばチューリップであれば、一筆で描くのではなく、実物や図鑑などを見ながら花びらを部分的に描く練習をしてみましょう。

澤口先生:その際、見守る大人の声がけはとても重要です。大人はつい「もっとこうしたら」などと言いがちですが、せっかく描いた絵を否定されると子どもは楽しくありません。否定はせずに「この電車でどこに行きたい?」「どんなところを頑張った?」など絵から物語につながるような声がけや、「この色ママ好きだな」などママ主体の“Iメッセージ”で声がけするといいと思います。

澤口先生:絵画はやればやるだけ上達しますから、本人も自信がつき自己肯定感が育まれます。1日5分でも10分でもいいのでスケッチブックに絵を描いてみたり、絵日記を描くのもいいと思います。ぜひ楽しみながら親子で取り組んでみてください。

伸芽会の会員専用の「受験アトリエクラス」では随時見学も可能です。
詳しくはこちらまでお問合せください。

伸芽会お問い合わせ電話番号:
0120-59-1359
火曜日〜土曜日 10:00〜18:00受付

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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