【ゼロから始める小学校受験】第3回「小学校受験の試験は何をするの?試験対策とは? 」

【ゼロから始める小学校受験】第3回「小学校受験の試験は何をするの?試験対策とは? 」

面接やペーパー試験、行動観察に個別テストに運動テスト…よく聞くこれらの小学校受験用語が、具体的にどんなことをするか、何のためにするのかお分かりですか? そんなお悩みを解消すべく、今回は小学校受験のプロである伸芽会で開催されたこれまでのセミナーをもとに、改めてまとめてみました。失敗しがちな保護者の4タイプも必見です!

日経DUAL記事

「ペーパーテスト」は小学校ではじまる算数の概念の理解を見ている

幼児教室の中には、毎日数十ページにも及ぶ問題を解き、身長分を解かないと合格しない!と言われることもある「ペーパーテスト」。これは、小学校ではじまる算数の概念の理解や語彙力、日常生活における常識などを見極めるためのもの。対策としては、これらの概念や本質を正しく理解し考える力が身についていることがポイントとなります。ただ詰め込んで問題をこなすだけだと、本番で解いたことのない問題が試験に出た際にお手上げ状態になることもあります。

「行動観察(集団テスト)」は先生の話を正しく聞けるかを見ている

慶應義塾幼稚舎や立教小学校、青山学院初等部のように、ペーパー試験を実施しないところはありますが、ほぼどの学校でも実施されるのが「行動観察」(集団テストとも呼ばれます)。

親と離れた子どもだけの空間でさまざまな課題に取組む様子を見るものです。音楽に合わせて歌やダンスをしたり、制作をしたり、簡単なゲームなどを行うところもあります。

母子分離が正しくできるかはもちろんですが、先生の話を正しく聞けるか、集中して取り組めるか、お友達と協力できるか、などが見られるポイントです。

「個別テスト」はその子ならではの個性を見ている

これに対し、「個別テスト」というのもあります。絵本などを集団で聞いたあと、個別で話の内容の質問に答え「記憶」を問うものや、用意された道具を使って課題に取り組む「工夫力」を問うもの、箸で豆を皿に移し替えるなど「生活習慣」を問うものが一般的です。この試験では、集団テストとは違い、その子ならではの個性や特性を見極めていきます。

「運動テスト」では非認知能力を見ている

小学校受験の試験に出る運動課題では、クマ歩き(筑波大学附属小学校ではお馴染み)、平均台、鉄棒にボールつき、総合的な指示行動などさまざまありますが、どれもできた・できないという結果を見ているのではありません。もちろん、あまりにもできない場合は減点されてしまいますが、たとえ上手にできなくても、課題への集中力や取り組む姿勢、待つ態度、あきらめない心、悔しがる気持ち、そういった過程を見ています。これらは、すべて小学校入学後に必要な非認知能力であるからです。

小学校受験を視野にいれている親御さんは、学習面や生活面はとても熱心に取り組む一方で、どうしても運動面がおろそかになってしまう傾向があります。近頃の子どもたちは、外で遊ぶ機会も減りがちです。外遊びや体を使った運動もしっかり対策していきましょう。

「面接」は親と子の関わりを見ている

小学校受験の面接では、主に「子育ての方針」「子どもの長所、短所」「将来への想い」「学校への期待」などが主に聞かれます。いくらお子さんが試験を頑張ったとしても、面接で親御さんが失敗しては台無しです。短時間の面接では面接官もその人の本質をなかなか見抜けませんから、親も「面接へのイメージ」を持ち、見た目の準備も含めた相手にいい印象を与えることを日々心掛けておきましょう。また、面接では子どもが大人の思惑通りに答えてくれないことがよくあります。その時、「何言ってるの、こうでしょ!」と指摘する親なのか、笑顔で見守りそれも含め子どもの長所として話せるか、で合否が分かれます。

ちなみに小学校受験の難関校のひとつ、慶應義塾幼稚舎の試験は、ペーパー試験も親の面接もありません。絵画制作(創作活動)、行動観察(遊び)、運動テストの3つの分野で考査します。絵画制作では出来栄えではなく、制作中の先生との会話で制作動機や人となりや経験を活かした力があるかをチェックします。行動観察は広い視野と行動力が求められ、運動テストは運動能力ではなくチーム分けすることで人との関わり方をみていきます。

このように、学校によって試験内容はさまざまなので、正しい情報収集としっかりとした対策が不可欠となります。

小学校受験に失敗しがちな保護者の4タイプ

最後に親の心構えとして、子どもにしてはいけないこともお伝えしておきましょう。

伸芽会では、小学校受験に失敗しがちな典型的な保護者のタイプとしてよく以下の4つをあげています。

・無理解型(無理・無茶な学習計画を立てる)
・私物化型(要求が多く意欲を阻害する)
・誤保護型(手を出しすぎて自立心が育たない)
・三寒四温型(言うことがころころ変わる)

入試が近づいてくると、知らないうちにこれらのタイプに陥っていることが多いもの。そうならないためにも、入試日から逆算した早めの計画(夏をゴールに設定)や、家庭での教育方針を話し合い、日常生活での役割分担(習い事や行事とのスケジュール調整)、何をいつどこまでレベルアップしておくか、の目標を具体的に立てておくことが大事です。

▼小学校受験ビギナーのために、情報をわかりやすくお届け!
第1回「小学校受験って何?受験のメリットとは?」
第2回「公立・私立・国立小学校の特徴と選び方」
第3回「小学校受験の試験は何をするの?試験対策とは?」

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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