娘2人を東大に現役合格!話題の「子育てコーチング」江藤真規さんにインタビュー

娘2人を東大に現役合格!話題の「子育てコーチング」江藤真規さんにインタビュー

娘2人を東大現役合格させた、教育コーチである江藤真規さん。自身もすごく悩んだという娘さんたちの思春期時代に役立った「子育てコーチング」のこと、さらにこれからの時代に必要な力「ファミリーエデュケーション」についても話を伺いました。


江藤真規
お茶の水大学卒業。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。2人の娘を出産後アメリカに7年滞在。帰国し娘2人は東大に現役合格を果たす。その後、コーチングの認定資格を取得し、現在は教育コーチングオフィス㈱サイタコーディネーション代表取締役として、講演や執筆活動を行う。2010年春にママたちの学びの場「マザーカレッジ」を設立。子どもの才能をどこまでも伸ばす「ペアレンテーション」の指導や母親の社会的役割を拡げる活動を行っている。著書「勉強が好きな子に育つ合格力コーチング」「子供が勉強好きになる50の言葉」他。http://www.mothercollege.com/

 

日経DUAL記事

娘の思春期の大変さからコーチングを学ぼうと決意!

娘を出産し家族の仕事の都合でアメリカに7年暮らしていましたので、私はずっと専業主婦でした。教育には興味があり、小さいときから複数の習い事をさせて、育児書もたくさん読んで、できる限りのことはしてきたつもりです。

ですが帰国後、娘たちが中学生になると全く思うように行かなくなりました。いわゆる思春期の反抗期です。「ママの言う通りにはしたくない!」とすべてにおいて反発、喧嘩の毎日。姉妹ですが全くタイプが違うので、そこも苦労しましたね。

そこで、悩んだ末にたどりついたのが「子育てコーチング」でした。

もちろん子ども自身の成長もありますし、100%コーチングのおかげというわけではありませんが、親子関係が良好になり自分の夢を見つけた娘たちは、結果として現役で東京大学に合格し、それぞれ巣立っていきました。長女は医療関係、次女は一般企業で働いています。

コーチングを学ぶと、どんないいことがあるの?

特にかつての私のような専業ママにありがちだと思うのですが、コーチング的には 「子どもをどう育てるかが自分の中で100%を占めるようになっている状態」はあまりよくありません。

親としてどう生きたいのか、自分に焦点が当たっていることがとても大事なんです

わが家の場合で申しますと、中学生になり「ママが敷いたレールに乗るのが嫌だ」と反発した長女はすべて投げやり、夢も持てない状態でした。

会話もあまり成り立たない状況だったのですが、コーチング的なアプローチを取り入れ、少しでも話せるタイミングを見つけては話を聴く、そして「20歳のあなたは何をしているんだろうね」など、未来をイメージできる質問をしていきました。すると、小さい頃の夢を思い出したのか、やりたいことが見えてきたようです。

次女に関しては、好きな世界はあるものの、勉強にはあまり身がはいらない状況でしたが、会話を繰り返すうち、その「好きな世界」を学問として学べる道もあるということに気づき、自分の進路を考えるようになりました。

このように、子育てコーチングを通して、子どもの気持ちを引き出し、視点を変え、気づきを与えていくことが可能となります。結果として、子どもは自分の考えを表現する力がつき、 親も自分らしい人生を生きることができるというわけです。

子どもは大人になる準備期間ではない!

これは子育てを終えた今だから言えることかもしれませんが、親は良かれと思ってたくさんの習い事をさせ、成果主義になりがちです。わが家もアクティブな女の子になってほしいという思いから、ピアノにバレエ、水泳にテニス、絵画にダンス、陶芸…たくさんの習い事を幼少期からさせてきました。

どれも子どもにとって好きなこととなり、素敵な先生や仲間と出会えたことは決して無駄ではなかったと思っています。ただ、親としては「何ができるようになった」など結果や成果を求めすぎてはいけません。それでは子どもも楽しくないですよね。

わが家の場合は自然と勉強=ママ、遊び=パパという役割になっていましたので、父親は娘たちと自然の中でダイナミックな遊びをたくさんしてくれました。その点はとても感謝しています。

子どもが何歳で何をした結果、素晴らしい大人になるという最短ルートはありません。今娘は30歳近くになりました。振り返って思うことは、「子育ては思い出作りの旅であるな」ということ。今しかないこの大切で貴重な時期を、楽しく過ごしてほしいと思います。

これからの時代に必要なのは家族の対話「ファミリーエデュケーション」!

2020年を境に教育が大きく変わろうとしています。子どもを取り巻く教育環境には大きく3つ「学校」「地域(民間)」「家庭」があります。これからの時代を生きる子どもたちにとっては、私はこの中の「家庭力」を高めるということが大切なのではないかと考えています。

そのためには家族皆が自分の考えを持ち、意見交換ができるような、家族会話の時間を増やしていって欲しいと願っています。

子育ては立派なキャリア。ママたちにもっと自信をもってほしい!

私がコーチングを始めて10年以上になりますが、その間に子どもを取り巻く環境は大きく変化しました。一番はママの多くが働くようになったことです。加えて今はスマホで簡単に子育ての情報が手に入り、キラキラしたママたちの姿がSNSで飛び込んできます。

相談を受けて感じるのは、「最近のママは自信がなく、疲れている」といこと。「目指すお母さん像はあるけれど忙しくてできない」、「自分の母親がしてくれたような理想のお母さんになれていない」というジレンマを感じているようです。

そんなママたちにはママ友以外の同じ悩みを持つママたちと、語れる場が必要なのだと感じます。「マザーカレッジ」のセミナーはもちろん、自治体で開催されている無料のセミナーなども利用しながら、ぜひ気軽に参加してママたちも対話の場を持ってほしいと思います。

子育ては立派なキャリアです。そして、その期間は案外あっという間です。子育てが一段落したら何をやろうかなと考えてみてください。私は娘たちが大学卒業後に大学院へ入って学び直し、新しい夢を見つけました。何歳からだって挑戦できるんです。

親とは、転職も退職もできない仕事です。子どもが巣立った以降も親としての人生はずっと続きます。親として女性としてどう生きていきたいか、ご自身の未来もたまにはイメージしつつ、お子さんとの日々を楽しんで頂きたいと思います。

無料で週に一度配信される江藤さんの「子育てコーチング通信」や、まもなく発売される新刊『母親が知らないとツライ「女の子」の育て方』も必見!

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • ホーム
  • 子育てのコト
  • 娘2人を東大に現役合格!話題の「子育てコーチング」江藤真規さんにインタビュー - SHINGA FARM

関連記事

新着記事