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遊びの主導権は子どもに!パパが知っておきたい、子育ての心理~幼児編~

遊びの主導権は子どもに!パパが知っておきたい、子育ての心理~幼児編~

これまで、パパ向けの心理学記事として、赤ちゃん編イヤイヤ期編とお伝えしてきました。今回はさらに年齢を上げ、幼児編です。ますます活発に動くようになるこの時期は、まさにパパにがっつりと関わってほしい年頃でもあります。

夏休みも近いので、“遊び”をテーマに、メリットを生む遊び方のコツについてご紹介していきます。

日経DUAL記事

パパとママでは遊び方が違う

一般的に、小さいうちは、ママとのつながりが強いことが多いため、パパの中には、赤ちゃん時代に自分が十分に関われていたかどうかちょっと自信がない……という方も多いのではないでしょうか。

もし今、「あれをしておけば…」のようなタラレバを感じていたら、ぜひ今から遊びを軸に関わっていきましょう!

実はパパとママでは、その遊び方に違いがあることが分かっています。4~5歳の子どもを持つ親を対象に行われた調査で分かったのは、

・ママにとって、遊びは発達や学習のツール
・パパにとって、遊びは絆作りと楽しい時間を持つ機会

ということでした。つまり、遊びの目的自体がパパとママでは大きく違うのですね。

ママが遊びを通して学びをと願う気持ち、私も母親としてとてもよく分かります。一般的に、ママは子どもと過ごす時間がパパより長いので、「その時間をより有効的に活用したい」という思いが働きやすくなるのかもしれません。この研究でも、

・言葉、数字、文字などの知育ゲーム
・折る、切る、貼る、組み立てるなどの図画工作
・社会性を育むお友達と遊び、おままごと遊び

これらはママが子どもと遊ぶ際に用いやすいという結果が出ています。

一方で、パパの好む遊びは、いたってシンプル。遊具やおもちゃを使うよりは、体を使って遊ぶ傾向が高いのだそうです。普段接する時間が少ない分、パパは子どもと直接スキンシップをすることで、絆づくりを加速させているのかもしれません。

どのように遊ぶかは違っても、「子どもと遊ぶ」ということ自体がとても大切とこの研究でも言っています。むしろ、パパとママの遊び方が違うことで、子どもはより様々な経験ができるのですから、違いがあることはメリットでもあるのです。

パパが子どもと遊ぶときに気をつけたい点とは?

ならばパパは自分の思うがままに体を使って遊べば、それが子どもにとってベストなのかというと、実はそうでもなく、遊びをより良い時間にするためのコツがあります。ある研究で分かったのは、遊びの主導権をパパが握り過ぎないことが大切ということ

たとえば、子どもが何かに取り組もうとしているのに、新しいおもちゃを出したり、子どもがやっていることに対し、「違う、そうじゃなくてこうやるんだ」とパパが完成させてしまったり、はたまたパパが遊びを決めてしまったり……。このようなケースは、せっかく一緒に過ごしているのにもかかわらず、いい影響を与えられないのだそうです。

体を使って遊んでいるときは、このようなパターンには陥りにくいのですが、たとえば雨が降っていて、外では遊べず、家の中でパズルや積み木、こんな状況でパパの乗っ取りは起こりやすいようです。

子どもがパズルのピースをなかなかはめられずにいたり、積み木をうまく積み上げられないと、パパが、「こうやるんだ」「よく見ていて」と子どもの代わりに完成させてしまう。割とよく見られる光景です。

素晴らしい作品を子どもに披露すれば、「パパすごい!」ということになりますが、それ以上に大事なのは、何回も間違って、何回も失敗して、それでも夢中になっている時間なので、それを奪わないことは非常に大事になります。

子どもの「○○やって」に応える形で遊ぶのがカギ

子どもは親が思っている以上に、普段の生活の中で、たくさんの失敗を繰り返しています。然とも言えます。育児では、「待つこと」はとても大事な接し方の1つで、遊びでも然りです。

親が待ってあげることで、子どもは試行錯誤を繰り返せるのです。それによりマスターできることは多いので、パパが子どもと遊ぶ際は、「主導権は子どもに」というのは大事なポイントになるでしょう。

基本的には、子どもたちが発する欲求に応える形で遊んであげるのが一番です。たとえば、「ぐるぐる回して~」「肩車して~」などは、パパにしつこくせがんでくると思います。「体を張った遊びはパパがいい」と決めているからこそ出る欲求です。そんな子どもの「○○やって~」という強い思いに沿う形で遊んであげるのがおすすめです。

そのうえで、たまにイレギュラーで“新技”を入れ込むと、「パパすごい!」もちょっと披露できますし、そこでまた子どもたちの遊びのバラエティーも広がっていくでしょう。遊びには親子間のアタッチメントを強める力があるので、一緒に過ごせる時間が限られているパパほど、遊びのパワーを上手に活用してみてください。

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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