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東大・ハーバード大卒の5児のパパが作った話題のワークブック!「そうゾウくんとえほんづくり」著者、本山勝寛さんにインタビュー

東大・ハーバード大卒の5児のパパが作った話題のワークブック!「そうゾウくんとえほんづくり」著者、本山勝寛さんにインタビュー

東大・ハーバード大を経て世界の教育を研究する5児の父の本山勝寛さん。今回手掛けた本は、今までにないワークブック『そうゾウくんとえほんづくり』(KADOKAWA)。

創造性や好奇心、やり抜く力……と注目の自己肯定感を遊びながら養えるワークブックの制作秘話や使い方についてお話を伺いました。


本山勝寛さん
教育イノベーター。幼少期に極貧家庭で育ち、独学で学びながら奨学金で東大・ハーバード大で国際教育政策修士課程を修了。現在は日本財団子どもの貧困対策チームリーダーとして活動。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』など著書多数。5児の父。オンラインサロン「MSI塾=本山ソーシャルイノベーション塾」(「https://camp-fire.jp/projects/view/119631」主宰。ブログ(http://motoyamakatsuhiro.hateblo.jp/

 

日経DUAL記事

創造性や好奇心を刺激する、今までにないワークブックを作りたかった!

__ワークブック『そうゾウくんとえほんづくり』を作ろうと思ったきっかけは?

私自身子どもたちとよく公園に遊びに行くのですが、最近の子たちは、遊具を当たり前に使った“受け身で普通の遊び”しかしていないんですね。もちろん、ケガをしないためとか洋服を汚さないためとか理由はあると思いますが、石を拾って並べてみるとか、泥んこになって遊ぶとか、創造性や好奇心を刺激するような経験が少ないと感じたんです。
一方で、世界の教育事情を研究して感じるのは、日本のワークブックのレベルの高さ。日本の漢字や計算ドリルといった認知能力を伸ばすドリルは最強だと思います。じゃあ、創造性や発想力、好奇心にやり抜く力、自己肯定感といった非認知能力を伸ばすワークブックはどうかというとちょっと見当たらなかったので、作ってみようということになりました。

__具体的にどんなことができるのでしょうか?

このワークブックのポイントは正解がないことです。ですから、子どもの発想や成長を親子で楽しむことが何より重要です。とはいえ、真っ白なページに書いて!というのはちょっと難しいので、たとえば、「たくさんの〇を使って自由に表現する」とか、「色を意識して絵を描いてみる」とか、ある程度の型を設けています。これは加藤昌治さんの『考具』にもありますが、一流のクリエイターたちも取り入れている手法なんです。最終的には、オリジナルのキャラクターを作って、自分だけの絵本が作れるようになっています。

__お子さんたちとも使ってみましたか?その反応は?

このワークブックは一応5~10歳を対象にしているのですが、まさにうちの4歳、6歳の子どもたちがすごくハマっていて、「そうゾウくんやろう!」と自分から言ってきて、ワークをしていないときもそのことを話すようになりました。1冊にまとまっているので、作品を保存しやすいのも気に入っています。

こちらは4歳の娘さんが描いたもの。全部絵を埋めているのがさすが!

こちらは6歳の娘さんが描いたオリジナルキャラクター「はむねこ」。飼っているハムスターをヒントにしたそう。

子育てのモットーは「子どもの目線で一緒に楽しむこと」

__5児の父である本山さんが、子育てで心掛けていることを教えてください

子育てを楽しむこと。私は育休を4回取得したんですが、子どもの目線で一緒になって過ごすと、忘れかけていた好奇心に気づかされて、世界の見方が変わるんです。たとえばダンゴムシを見ただけで興奮している息子に「早く行くよ!」というのではなく、一緒に観察してみる。すると、歩いていたのが一瞬でまん丸になることの不思議さに改めて感動したりします。そんな気づきを親子で積み重ねることで、子どもも親も成長していくんじゃないかと思っています。

__兄弟が多いお子さんを育てる上で、夫婦で工夫している点は何でしょうか?

身体を使った遊びや虫取りなどはパパ、お菓子作りや手芸、ごっこ遊びはママと自然と得意なものが分かれるので、それをやりたい子どもたちが分かれて遊ぶことが多いですね。とはいえ、先日は、長男の習い事に僕が付き添って帰りにお昼を食べて話す時間を作ったり、逆に4人を僕が見ている間に妻が子ども1人を連れて買い物に行くなど、個別の時間もできるだけ取るようにはしています。

__勉強や学びに関して実践されていることはありますか?

勉強に関しては基本本人に任せています。小学生の子も塾には通っていません。ただ、好きなことや興味関心があることは深めてあげたいと思うので、そういった分野の本は先回りして買ってあげたりしています。あと寝る前の読み聞かせは僕もします。

__習い事に関してはどうですか?

これは一番難しいですね。5人いてもみんなタイプが違うので。上から3人はピアノを習っていますが、加えて一番上の長男はサッカーと発明教室、長女は新体操、次女はバレエとそれぞれやりたいものを習わせています。習い事の一番の魅力は達成感を味わえることとやり抜く力が身に付くことだと思うので、始めるのもやめるのも子どもの意思を確認して、決断させています。

21世紀型の教育は、学校だけじゃなく放課後や家庭教育の見直しも必須

__独学で東大・ハーバード大学を卒業されたそうですが、どんなことを学ばれたのですか?

東大では工学部でテクノロジーを使った理系と文系の融合のようなことをしていました。そこで領域を超えた発想の大事さを感じ、社会に直接貢献できることがしたいと思い、その後のハーバードでは全く別の分野の教育学部で世界の教育や、非認知能力事情について研究していました。

__お子さんたちにはどのような道に進んでほしいいと思いますか?

狭い世界にとどまらないでほしいとは思いますね。何をしてもいいけれど、最高の人生を生きてほしい。親が何かを決めるのではなく、自分の意思で動ける子になってほしいですね。

__今の日本の学校教育に関して思うことはありますか?

これまでの20世紀型の教育は、戦後の“やるべきことができる人材”にするための教育だった。だからこれからの21世紀型の“新しい発想を持った人材”にするためには、教育も大胆に変わっていいと思います。でも、すぐには難しいし、学校にだけ求めるのは違うかなと。
たとえば、放課後や休みの日を合わせた家で過ごす時間って学校にいるよりも長いので、家庭教育の見直しも大事だと思っています。

__子育て中のお母さんお父さんたちにメッセージをお願いします!

先ほども言いましたが、子育てをできるだけ楽しんでください。子どもの目で見る世界ってすごく楽しいし、親も一緒になって見られる時間は今だけなんです。そんな貴重な時間を大事にして、一緒に成長していってください。

__さまざまな活動をされている本山さんの今後の目標を!

今回初となるワークブックを出版させていただきましたが、子どもたちの非認知能力を伸ばすツールやプログラムをどんどん作っていきたいですね。さらに、オンラインサロン「MSI塾=本山ソーシャルイノベーション塾」では、いろんな方たちとつながり学びの場になっていますので、今後も日本の子どもたちの教育のイノベーションを起こしていけたらと思っています。

『そうゾウくんとえほんづくり』(KADOKAWA)ぜひチェックしてみてください!

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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