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ジュニアNISAにFX、話題のLINE投資まで… 家計を預かるママ必見!今こそお金を「増やそう!」

ジュニアNISAにFX、話題のLINE投資まで… 家計を預かるママ必見!今こそお金を「増やそう!」

消費税も10%に上がった今、家計を預かるママはお金に興味深々なはず。そこで、子どもの教育費に老後の年金から学資保険にNISA、話題のLINE投資まで……。ママが気になるお金にまつわるさまざまな疑問を、著書『毎月 3 万円で 3000 万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版)の著書である、太田創さんにお聞きしてきました。

太田 創(おおた つくる)
関西学院大学卒後、三菱銀行(当時)入行。1988年よりロンドン支店、ブラジル三菱銀行での資金為替運用や投資信託の管理業務等に携わる。1988年から2019年まで三菱UFJ国際投信、シティグループ、フィデリティ投信等の国内外金融機関で投資信託の商品企画・マーケティングを統括。現在は、一般社団法人日本つみたて投資協会の代表理事として、年金2000万円不足問題を解決すべくつみたて投資や金融知識向上のため幅広い著述、寄稿、講演を数多く手がける。(同氏コラム:https://bit.ly/2lcidiv

Q1 消費税増税、主婦が注意すべきポイントは?

8%→10%。この2%をたった2%と感じるか、2%もと感じるか。100円の商品ではたった2円かもしれませんが、金融の世界で考えると金利2%というのは莫大な差なんです。メーカーによっては、価格を据え置きする代わりに容器を小さくするなどの「隠れ値上げ」もあります。たとえば洗剤を買う際も1cc当たりの価格を計算するなど、賢くお得な買い物をしましょう。小さなお金にもシビアになることが貯蓄体質になるカギです。

Q2 夫がFX(外国為替証拠金取引)を始めたのですが大丈夫でしょうか?

これはちょっと心配ですね。もちろん、まれに素人の方で天才的なトレーダーがいるのは事実です。ただしFXは元本の何十倍まで想定元本を膨らませて取引することができる超ハイリスク・ハイリターン金融商品のため、そもそも「安定して儲けるのは無理」なのです。FXはギャンブルに近く、深みにはまると抜け出せないこともあり、原則おすすめはしません。

ただし、「月1万円までの損失なら可」と奥様が上限を決めて、ご主人のストレス発散や楽しみ、潜在的な能力開発程度に留めて取引する分については問題ありません。

Q3 ずばり、年金は意味ないのでしょうか?

まず、年金の仕組みをきちんとわかっていますか? 年金は国から義務づけられた立派な資産形成手段で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という厚生労働省所管の独立行政法人がグローバルに運用をしています。ちなみに、2018年の運用実績は収益率+1.52%、収益額は+2兆3,795億円です。詳細は同法人のホームページで開示されています。まずは、自分はどの年金に該当し、何歳以降夫婦でいくらの年金がもらえるのか、“ねんきんネット”(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)でシミュレーションをしてみてください。年金は国民の義務と共に読者を助ける財産ですから、払うべきものと割り切りましょう。加えて、ご自身でも老後資金をつみたてる方向に考え方をシフトしましょう。具体的なつみたて投資の方法は拙著をお読みいただければと思いますが、一旦始めた後は、年金同様「運用成績まで細かくチェック」しないことが重要です。

Q4 子どもの教育資金。学資保険とジュニアNISAどっちがいいの?

子どもが生まれたら学資保険というのは、ある種洗脳のようなもの。日本人が保険好きという国民性もあり浸透したものです。とはいえ全くダメではありません。保険の機能に利点を感じるのであれば最低必要額の学資保険を購入しましょう。教育資金は元本が保全されなければならないので、必要な場合は預貯金や個人向け国債で貯蓄するのがおすすめです。第一子は学資保険に入れたけれど第二子は何も…という場合は、下のお子さんにはジュニアNISAで少額をコツコツ長期運用してもいいでしょう。ちなみに、ジュニアNISAとは金融庁が導入した未成年者のための少額投資非課税制度で、原則18年間はお金を引き出せません。

Q5 老後のたくわえ、貯金だけでは損するって本当ですか?

インフレが起きると現金の価値が下がってしまう。こう聞くとドキっとしますよね。じゃあ資産をすべて米ドルなどの外貨にすればいいのかというのもまた別の話。現金である円の価値は日本の中では変わりませんから、増税された2%分(あるいは消費税分を少しでも取り返す)を、冷静に取り返していくと言う考えが正しいと思います。銀行に30年預けていても、今はほぼ増えない時代ですから(普通預金で金利0.001%)、例えば毎月銀行に6万円貯金しているなら、その半額の3万円を30年間つみたて投資をすれば、元本と運用収益で3,000万円に増える可能性は十分にあるのです(詳しくは著書参照)。

Q6 話題のLINEスマート投資はどうですか?

LINEスマート投資や各社のポイント投資など、手軽に投資ができる投資商品が増えてきています。少額から投資できるので便利ではありますが、こうした個人向け投資一任取引はNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人確定拠出年金)の対象ではありません。加えて取引手数料(売買代金の0.5%)や運用報酬料(年間0.5%〜1%)がかかるため、それらを理解した上で取り組んでください。少額のため、未経験の方が投資の感覚をつかむのにはいいと思いますが、最初から安易に選択するのはお勧めしません。

Q8 今から始めるならどんなつみたて投資がおすすめですか?

つみたて投資のポイントは、10年単位で長く続けること。短期的な株式取引などと違い、運用状況も10年に1回くらい確認するくらいで結構です。足元の運用状況を一喜一憂するぐらい無駄なことはありませんから、面倒くさがりな方にもぴったりなんです。30歳から始めれば60歳で30年間もつみたてることができるのです。30年間続ければ、元本だけで1,080万円にもなります。もちろん、40歳からだって遅くはありません。60歳までのつみたてならiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(最長20年間)がおすすめです。自分に合う運用条件を調べて、利便性に富むインターネット証券等で口座を開設して、手堅く将来性のある金融商品に無理ない範囲でつみたて投資に取り組んでください。

Q7 わが子にしておくべきお金教育はありますか?

生活の中でお金の話題に接し、実物のお金(紙幣、硬貨)に触れる機会を作ること。親がオンライン決済やキャッシュレス決済ばかりしていると、子どもの中でお金の概念が育ちにくくなる危険があります。また、安易にモノを買い与えたり、海外旅行が当たり前としたりせず、「お金には限りがある」ということを小さいうちから知らしめておくのが金融教育の鉄則です。また、お買い物に行く際も「同じブランドの牛乳なのにコンビニとスーパーでは30円値段が違う。どうして?」とか「電車賃はスイカやパスモの方が現金より安いのはなぜ?」など、物やサービスの価格に興味を持たせるのもいいでしょう。

これからどんなに時代が変わっても、お金を貯めるには、生活の中に「お金を貯める仕組み」を取り入れることにつきます。つみたて投資や預貯金、ポイントつみたて等の有効活用でも構いません。気軽に少額かつ非課税枠も念頭に、将来性のある金融商品で早いうちから資産形成をしていきましょう。先憂後楽なのです。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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