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ボーク重子さんが実践した“非認知能力”を育てる3つのルールとは? 「最高の子育て」セミナー 前編 

ボーク重子さんが実践した“非認知能力”を育てる3つのルールとは? 「最高の子育て」セミナー 前編 

先日ハイアットリージェンシーで行われた伸芽会の「最高の子育て」セミナー。前編では、9月にSHINGA FARMで取材させていただき大反響だったボーク重子さんによる第一部講演より、ボークさんが娘さんの“非認知能力”を育てるために実践した3つのルールをお伝えします。

ボーク重子
ボーク重子
ロンドンの大学院で現代美術の修士号を取得後、夫との結婚を機にワシントンDCに移住。出産後は、考える力と心の強さを育むアメリカのエリート教育にたどりつき、娘スカイを「全米最優秀女子高生」に。アートコンサル業を経て、ライフコーチの資格を取得し、現在はアメリカや日本各地で、子育てやキャリア構築、ワークライフバランスについて講演会や執筆も行っている。著書『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)『SMARTゴール』(祥伝社)『「非認知能力」の育て方』(小学館)など。
http://shigekobork.com
日経DUAL記事

なぜ、今「非認知能力」が重要視されるのか

主体性、やりぬく力、自己肯定感…娘のスカイをアメリカで出産し、全米教育レベルNO.1のワシントンDCで子育てする中で、20年前に出会ったこの「非認知能力」。深く知るにつれて、私はこれらを幼少期にしっかりと育てることで、どんなことにも好奇心を持って自ら進んで物事に取り組むようになると実感しました。

AIなどが台頭し、目覚ましい変化を遂げるこれからの社会では、人が求められる力も変化していくでしょう。そんな時代を生きぬくために、今の子どもたちには、テストの点数を重視する認知能力だけではなく、目に見えない「非認知能力」が重要なんです。では、どうすればこの「非認知能力」が育つのか、私の体験から気づいた3つのポイントでご紹介しましょう。

重子’sルール その1 「全てにおいて子どもに手本を見せる!」

娘が幼稚園から通っていた、ボーヴォワール校は、ケネディ家やブッシュ家のお子さんも通っていた、倍率何百倍という難関校でした。レスポンシブ・クラスルームという教育法を掲げ、その子らしく、その子のペースで学んでいきます。運よく娘はボーヴォワール校に入学できましたが、世界最高水準の学校に入学したからOKではなかったんです。入学後、学校から言われたのは「学校だけではなく、家庭でも私たちの教えを実践して初めて非認知能力が育つのです」ということ。

学校では1+1=2であることを、さまざまなものを使って、自分で導き出していきます。家庭でも、何かを子どもだけにさせるのではなく、親子で一緒に体験して手本を見せながら、自分で考え選ぶ習慣を、幼少期から身につけるようにしていきました。

重子’Sルールその2 「〇〇しなさいではなく、対話する!」

私は娘が高校に入るまで、学校の勉強をしなさいとは一度も言ったことがありませんが、小学校低学年の時「もっと日本語の勉強をしてほしい」と言ったときに、娘から「私はママと会話する程度の日本語はしゃべれるし、これ以上勉強する意味が分からない」と言われました。そこで、改めて「勉強する意味」の重要性を実感しました。学校では、娘自身が主体的に目的をもって学んでいたため、私が何かをしなさいと声掛けする必要がなかったんです。

その後、中学2年生の時娘は1年間日本に留学して日本語を学ぶ意味を自分で見つけ、自発的に日本語の勉強をするようになりました。子どもには「学ぶ意味」が必要で、そのために「いいから〇〇しなさい」ではなく、対話して経験して気づかせることはとても重要です。小学校低学年だって未就学児だって対話すればきちんとわかります。

重子’Sルールその3 「親が自分のパッションを見つけるべき!」

私はライフコーチになる前はアメリカでアートを通じてアジアの良さをしってもらいたいという夢がありました。でも、何の実績もコネクションもなく、始めは誰からも相手にされず、何度も何度も失敗や悔しい思いを繰り返しながら、小さなチャンスをコツコツ積み重ねて、決心してから4年後に自分のギャラリーをオープンさせることができました。

娘がまだ小さい頃、自分に自信がなくて不甲斐ない思いをしていた時、それでも娘はママが大好きと寄ってきます。子どもが親を愛する力は偉大です。だからこそ私を愛してくれる娘のためにも、私の背中を見て育つ娘のためにも不甲斐なさや自信のなさを乗り越えたかった。それを乗り越えられるのが、自分のパッションだと私は思っています。私はそれから毎晩パッションのために自分がやったことを「サクセスノート」に書き留め、毎晩見直し、行動した自分を褒め、ゴールにたどり着く自分のを想像しました。まず何かをやってみること。親がパッションに向かって頑張っている姿は必ず子どもが見ています。辛くても笑顔で這い上がり、やり遂げる。それが子どもにとって一番の人生のお手本になるんです。

出産当時まったく自分に自信がなかった私が、「子どもと一緒に私も育って行こう」と自分のパッションを見つけ、前に進んでいった結果、今では本を4冊も出させてもらって、日本でこんなに多くの方の前でお話させていただけるようになりました。

今は、50歳でライフコーチという夢を見つけ、そこに向かって進んでいます。

“What is your Passion? ”

「長いようで子育てはあっという間です。どうぞ楽しみながら自分自身のパッションも見つけてみてください」と締めくくったボークさんのこの言葉がぐっと胸に響きました。

もっと非認知能力について詳しく知りたい方は、ボークさんの最新著書『「非認知能力」の育て方』(小学館)をチェックしてみてください!

後編では、第二部TOMAS入試対策本部の伊藤先生による「これからの時代を生き抜くために必要な力と中学受験・大学入試制度」、さらに第三部の伸芽会教育研究所の飯田先生による「私立・国立・公立小学校の現状と、伸芽会の幼小一貫教育」の模様をお伝えします。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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