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#サンダルバイバイ条約も話題に!プールや川、海での「夏の水の事故」を防ぐために知っておきたいこと

#サンダルバイバイ条約も話題に!プールや川、海での「夏の水の事故」を防ぐために知っておきたいこと

Twitterの#サンダルバイバイ条約でも話題を集めている、NPO法人AQUAkids safety project代表のすがわらえみさんは、水泳インストラクターであり水の安全のプロ。

この夏、水の事故を防ぎながら子どもと安全に遊ぶために親が知っておきたいことを詳しくアドバイスいただきました。川や海、プールでの水遊びの前にぜひ読んでいただきたいです。


すがわらえみさん
NPO法人AQUAkids safety project代表。「水の事故から子どもを守ろう」をコンセプトに、大阪を拠点に各地への水難事故予防、小児応急手当の講座やワークショップを開催(オンラインでも可能)。企業や教育関係者、子育て世代に向けた「いのちをまもる」方法をSNSでも発信している。
HP→https://aquaproject721.wixsite.com/website
Instagram→https://www.instagram.com/aqua.project/?hl=ja
Twitter→https://twitter.com/aqua_project721

 

日経DUAL記事

どうして毎年「夏の水の事故」が繰り返されるのか

__どうして毎年「夏の水の事故」が繰り返されるのでしょうか?

私自身、長年水泳インストラクターをしていましたが、自分の子どもが生まれて「夏の水の事故がなんでこんなに多いのか。どうして毎年繰り返されるのか」と気になるようになりました。すると、「泳ぎは教えてもらえるけれど、水の事故の防ぎ方は大人もしっかりと教わったことはない」という事実を知ったのです。もっと伝えないと繰り返されてしまう……。そう考えて一念発起。AQUAkids safety projectを立ち上げて7月でちょうど2年になります。現在は、 水難事故を予防するために水辺の安全教育や親子向けにお話し会や、小学生向けのお話などを行っています。

形に残す#サンダルバイバイ親子条約がSNSで話題に

__SNSでも話題の「サンダルバイバイ親子条約」について、発案された経緯を教えてください。

もっと多くの方が目にするように水の事故の予防に関する知識を発信ができないかと考えてた際に目に止まった“川に流されたサンダルを追いかけての水難事故”のニュース。「サンダルを追いかけない」という知識が子どもにあれば防げた事故でした。そこで昨年思いついたのが#サンダルバイバイという言葉です。ですが、今年に入っても去年と全く同じサンダルの事故がありました。どうしたらもっと多くの人に広まるのか、なぜ子どもはサンダルを拾うのかを必死に考えたところ、「ママに叱られるから」という理由もあるのではと考えたんです。

そこで、子どもから「サンダルをバイバイするからね」と宣言し、同時にママも「サンダルが流されてなくしても叱らないよ」と宣言したら安心するのではと思い、今年は書名入りの親子条約にバージョンアップ。約束は親がさせるものというイメージがあるかもしれませんが、そうではなく対等な条約にしたかったんです。さらに、形で残せる証書にもこだわりました。

おかげさまで多くの方に知っていただき、活用していただいています。

利用者の声としては、「なくすんだったらもう買わないよ!ではなくて、親も脱げないサンダルを買わないとという意識が働くようになった」という声をいただきました。中には、「子どもがサンダルを履くようになったら絶対教えます」という乳児のママさんもいて嬉しかったですね。

わが子に見せたら「めっちゃいい!」と好反応。子どもも参加する気持ちになるのが楽しいようです。この条約をツールとして、小さいお子さんも小学生もぜひ活用していただけたら嬉しいですね。おすすめは夏休み前の終業式の日などに気を引き締める意味でも結んでいただきたいです。

プール、海、川のシーン別で親が気を付けるべきこと!

__夏の水の事故を防ぐために、親はどんなことに注意をしたらよいでしょうか。

いくつかありますので、3つのシーン別でご紹介していきますね。

シーン① プールではプールサイドのケガにも注意して!

流れもないし、行きなれているからと油断しやすいのがプールです。ちょっと泳げる子は大丈夫だろうという油断もあります。ですが、基本は目を離さず一緒に行動してください。

プールで気を付けたいのが、実は水中と同じくらいプールサイドのケガです。プールサイドで滑って後頭部を打つこともありますし、転ぶと擦り傷になることも。何より、子どもは「プールサイドは滑る」ということをつい忘れてしまうので、必ず手をつなぎましょう。また、水から上がる際は子どもと同時に上がることもポイント。子どもが先に上がると走っていってしまいます。

さらに、これは海でも同様なのですが、監視員さんに子どもと一緒に挨拶をする習慣をつけるといいですね。この人が守ってくれていると子どもに知らせるとともに、大人の目を増やすという効果もあります。

シーン② 海ではライフセーバーさんにもしっかりと挨拶を!

なぜ川や湖、池と分けたかというと、海にはライフセーバーさんがいるからです。プールでもお伝えしましたが、まずは最初にライフセーバーさんに挨拶すると良いですね。

「今日はどの辺で泳いだら安全ですか?」「波が高いですか?」「そんなに泳げないんですが」など、毎日海に来ているプロに情報を聞きましょう。

大事なコミュニケーションにもなりますし、海のことを知り学びにもつながるはずです。

2つ目は、ライフジャケットを着ること。海は急に深くなることもあるし波もありますから、子どもだけではなく大人も泳げる子も必須です。

シーン③ 川、湖、池では保護者がライフセーバー代わりだと肝に銘じて!

海と一番違うのは、ライフセーバーがいないことです。では、誰がライフセーバーになるかというと、保護者ですよね。その意識を持って、必ずライフジャケットを着用しましょう。また、意外と知らないのが「大人が先に入って深さ、流れ、滑りやすさ、冷たさを確認する」ということ。長い時間入っていると寒さで震えてくることがあるので、休憩時間の目安を知る意味でも重要です。暑いから、浅そうだからなどと見た目で判断しないこと!

また、数家族で川などに遊びに行く前には事前に見守り役をどうするか決めておくことも大切です。「到着時はパパチームが子どもたちを見る」「撤収時はママチームが見る」など。

特に到着時と撤収時は、バタバタして「誰かが見てるだろう」となることが多く、これはとても危険です。楽しく遊んで帰ってきたいからこそ、事前に大人が打ち合わせをしておきましょう。

水遊び前に親子で動画を見て水遊びの安全意識を強化しよう

__水遊びをする際に親子で決めておくべきこと、見ておくといい動画などがあれば教えてください。

「安全に行こうね!」の意識付けとして、川遊びや海水浴の事故が起こらないように、事前に動画などを見ておくのもいいですね。おすすめはこちらの2つ。

日本ライフセービング協会 資料集
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/materials/

NPO法人Safe kids Japan
https://safekidsjapan.org/project/watersafety20210526/

「おぼれる前にできること」をまず実践しよう

__もしおぼれている子を見たらできることはありますか?

まずは、119で救急隊を呼ぶこと。(到着までには約8分平均かかります)海の場合は118(海上保安庁)です。水難救助は特殊な訓練を受けていないと危険で一緒におぼれてしまうことが多いので、陸上からの救助をトライしてみてください。掴まれる浮き輪やロープを投げて渡す、励ます、おぼれた場所を詳しく覚えておくことも大切です。でも正直、おぼれた後にできることは、救命措置しかないんです。

ですから、そうなる前に以下のような「おぼれる前にできること」を実践してほしいのです。

・行く場所の天気を調べる(前の日が雨なら川の水量が増すので注意)
・親子で動画を見て水上安全を学ぶ
・親子でライフジャケットを着る
・足元はアクアシューズがベスト
・水辺は大人が先に入る
・川の流れから見守る位置を確認する

水辺の楽しさは安全の向こう側にある

__最後に、小さなお子さんをお持ちの親御さんにメッセージをお願いします。

私たちパパママ世代の学校での水泳授業は、泳ぐことがメインでした。ですから、水の安全に関する知識がないのは当たり前なんです。だから今、親になったこのタイミングで水辺を楽しく過ごすコツについてぜひ知ってもらえたら嬉しいです。

もちろん、水辺の楽しさは安全の向こう側にあるということもお忘れなく。

先述した「おぼれる前にできること」は、実はそんなに難しくないことばかりですよね。

サンダルバイバイ条約もぜひ活用いただけたら嬉しいです。

いかがでしたか。「おぼれる前にできること」を肝に銘じて、楽しい水遊びをしたいですね。#サンダルバイバイ条約はわが家でもぜひ活用したいと思います。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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