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子育て

性教育は3歳から! 科学+愛情の正しい性教育で親子の関係を深めよう

性教育は3歳から! 科学+愛情の正しい性教育で親子の関係を深めよう

性教育の必要性は感じつつも、いざわが子に話すとなったら、いつ・どうやって伝えるべきか頭を悩ませるところですよね。

テレビなど多くのメディアに出演し、性に関する著書がベストセラーになっている性教育アドバイザー・のじまなみ先生に、幼児からの性教育についてお話を伺いました。“とにかく明るい性教育”をご家庭で実践するためのヒントが満載です!


のじまなみ先生
性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。看護師として泌尿器科に勤務したのち、性教育アドバイザーとしての活動をスタート。テレビ・新聞・雑誌など国内外のメディアに多数出演。全国の幼稚園・保育園・小学校・中学校などで年間70回以上講演。14000人の読者がいるメルマガも人気。著書に『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)、『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこからくるの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)がある。夫と3人の娘の5人家族。
「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」HP https://pantsu-kyoshitsu.com/

 

日経DUAL記事

ママたちは知らないだけ!? 身近で増えている性のトラブル

みなさんはご家庭で性の話をされていますか? 「性に興味がでるのは中学生からでしょ」「中学受験の勉強でそれどころじゃないと思うわ」「うちの子は大丈夫」と思い込んでいる方や、仕事や家事に忙しくて性教育までやれないと思っている方も多いのではないでしょうか。

今の子どもたちは思春期も早く、小さいうちから漫画やネットなどで性の情報がどんどん入ってきています。そして、意外と学力が高くて、家が裕福な子どものほうが早熟だったりします。スマートフォンやiPadで簡単に性の情報を仕入れられるし、共働きのご家庭は子どもが1人で過ごす時間も長いですよね。

実際に、仲良しグループのお友達とキスしてみるとか、その先も…、ということが起こっています。そしてネットに載っている間違った性の情報を鵜呑みにしていることも多く、大変危険です。

また、性に対する正しい知識がないと、防犯面も心配です。とくに小学校低学年は性犯罪にも遭いやすいです。

性の話がタブーな家庭の子どもは、性犯罪やレイプに遭うことがイメージできず、知らない人にも簡単についていってしまうのです。そうならないためにも、早い時期から性に関する正しい知識を教えていかないといけません。

愛情を伝えることが性教育の始まり

性教育をやりにくいと思うのは、みなさんがホップ・ステップ・ジャンプじゃなくて、ホップ・ジャンプでいきなりセックスについて話そうとするからです。

性教育はセックスの話だけではありません。まずはコミュニケーションのあり方、愛情を伝えること、親子の関係を変えていくことから始めていただきたいと思います

たとえば、「ママ、今日ね、学校でこんなことがあったよ」と子どもが言ってきたら、「そうなのね、〇〇ちゃん(〇〇くん)」と名前を呼んであげることも性教育のひとつだと私は考えています。名前を呼びながら、子どもの話を聞いて、そっと傍に寄り添う、愛情を伝えてあげる、そのコミュニケーションが性教育の始まりなのです。

セックスの話をする前に、「ママはあなたが大好きだよ」ときちんと伝えてあげましょう。寝る前に必ず、「生まれてきてありがとう」と言うのもいいですよ。その一言は、愛情を全身に浴びさせる効果があります。自分は愛されて生まれてきた子どもだと知ることが、性教育につながります。

動物の出産シーンなどをきっかけに、3歳ぐらいから性教育を

性教育は3歳から10歳ぐらい、ママを求めてくる年代が一番やりやすいです10歳を超えると、子どもの心はママから離れ、親から性の話を聞くのは恥ずかしいと思うようになります。恋心が芽生える時期、体の成長に悩む時期になってから声をかけようと思っても遅いのです。

それに対して、3歳ぐらいの子どもへの性教育はとてもストレートに入っていきます。まずは一緒にお風呂に入ったときに、男女の体の違いの話をするとか、ママが生理の時に「なんで血がでるの?」と聞かれたら、「赤ちゃんのベッドを交換する日だよ」「ありがとうの血だよ」などと伝えてあげればいいのです。

あと、私はよくクイズもやりますね。「さて、問題です。ママのお腹にいる赤ちゃんの頭は上を向いているでしょうか、下を向いているでしょうか」と。メルちゃんとかお人形があったら、「お腹の中からこんな感じで生まれてくるよ」と教えることも。「人間ってすごいんだよ、頭の骨をギュッと縮めて生まれてくるんだよ」と話すと、「すっごーーーーい!!」って4歳ぐらいの子どもは目をキラキラしながら聞いてくれますよ。

テレビ番組で虫の交尾や動物の出産シーンがあったら、親はドキッとするかもしれないけれど、これも性教育をするチャンスです。「ほら見て、象の赤ちゃんがでるよ。赤ちゃんが生まれるのって奇跡なんだよ。あなたもこうやって生まれてきて、ママのおっぱい飲んでて可愛かったのよ」というように話を持っていくといいですね。

どう声をかけるかは、子どもの年代によっても違いますが、虫や動物をきっかけに、自分の出産の話を織り交ぜるのはおすすめです。出産を科学として教えてあげるのと同時に、愛情たっぷりなエピソードも話してあげてくださいね。

科学に愛情をつけて教えてあげられるのは、ママだけです。体外受精・人工授精で生まれてきたということを話してあげてもいいですよ。子どもを欲しいと思う気持ち、不安と孤独に耐えて待ち望んだ時間は、誇っていいことです。全然恥ずかしいことではないです。それだけあなたのことを待っていたんだよって、愛情と一緒に伝えてあげてください。

女の子の生理も、男の子の精通も、お祝いしてあげましょう

私は娘たちに、「生理は楽しいもの、女の子を輝かせるもの」と教えています。女性は生理があるから髪も肌も艶々ですし、排卵日は目がクリッとしてバストもアップする、女性が一番輝くときと言われているんです。

ママたちの中には生理が辛い方もいるかもしれませんが、それを女の子の前で絶対に口にしてはだめです。ママが生理は嫌なもの面倒なものと言ってると、子どもの中でその概念ができてしまい、生理が来るのを嫌がるようになってしまいます。

また、発達の差があることも伝えておくといいでしょうね。生理が10歳で来る子もいれば、15歳で来る子もいます。「ママは何歳ぐらいに来たから、あなたも何歳ぐらいに来るかな」とか、「生理が近づくとおっぱいも膨らんでくるんだよ」といった知識を教えてあげてください。

男の子の精通も、小学生で来る子もいれば高校生まで来ない子もいて個人差があります。おしっこ以外に白い液が出ることに驚いて病気だと思う子が多いようなので、「それは悪い病気じゃなくて、大人になるための準備だよ。おめでとうのサインだよ。女の子の生理みたいに男の子もお祝いしようね。精通が来たらプレゼント買おうか」などと言っておくといいですね。

性の話は日々の会話に積み重ねて

親子で性について話すようになると、子どものほうからもいろいろ聞いてくるようになります。中には、「ママは何歳でセックスした?」「パパ以外に何人とセックスした?」とか、答えたくないような質問も出てきますが、それはママのプライベートな部分なので答えなくていいです。ただ、「僕が生まれるときにセックスした?」には、「そうだね。だからあなたが生まれたのよ。奇跡なのよ」と答えてあげましょう。

よく、性教育の絵本を1冊読ませるだけというママもいますが、それでは全然足りません。性教育で一番やってはいけないことが1回だけの言い切り言い逃げです子どもは言われたことをすぐに忘れてしまうので、日々の会話の中に積み重ねていくことが重要です

子どもたちに性についての正しい知識を伝えてあげることが、自分自身の身を守るための「知識の種まき」と、愛されてることを知るための「愛情の種まき」になります。命の大切さを知っている子は自分の命を粗末にしないし、自分の身を守ることを知ってる子は性の加害者にも被害者にもなりません。

性教育は、百利あって一害なし、です。子どもたちが自信をもって未来へ歩いていくための教育です。ぜひ、親子のコミュニケーションツールとして性教育を使っていただけると嬉しいなと思います。

今回お話を伺ったのじま先生の新刊『赤ちゃんはどこからくるの? 親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎 1300円+税)が発売されました!

「3歳から10歳までの子どもが聞いてくるような質問をまとめてあります。いわゆる性教育の初級編です。まずはこの本ぐらいのハードルを越えて、なんでも話せるようになると、次のハードルも越えやすくなると思います。性教育を始めるきっかけになりますので、ぜひ親子一緒に楽しんでください。」(のじまなみ先生)

https://www.gentosha-edu.co.jp/book/b505475.html

のじま先生のお話を聞いて、わが家もさっそく赤ちゃんが生まれることの奇跡、お風呂の中で男女の体の違いなどを教え始めています。みなさんも『赤ちゃんはどこからくるの? 親子で学ぶはじめての性教育』をお子さんと一緒に読むことから始めてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

大学生の頃よりファッション誌のライターとして活動し、主にインタビューページなどを担当。現在はママ向けライフスタイル誌やWEBに執筆中。小学生と保育園児の男子2人の母。

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