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子育て

やる気UP!不登校、ADHDの改善!…「糖質制限食で子どもが変わる!」 日本で唯一の糖質制限×学習指導塾「三島塾」三島学さん

やる気UP!不登校、ADHDの改善!…「糖質制限食で子どもが変わる!」 日本で唯一の糖質制限×学習指導塾「三島塾」三島学さん

わが子がイライラしている、足がブラブラ勉強に集中力がない、不登校ぎみ……。これらは糖質制限食で、変えることができます!と語るのは、ご自身も糖質制限で糖尿病を克服した子ども指導歴46年の三島学さん。現在は、糖質制限食を自ら作り提供し、アドラー心理学に基づいた指導をする日本で唯一の学習塾「三島塾」塾長を務めている。まだあまり知られていない「子どもの糖質制限」について、気になる疑問をお聞きしてきました!


三島学さん(三島塾 塾長)
中高の教員、予備校講師と子どもたちの指導歴は46年。二型糖尿病を糖質制限により克服した経験から、現在は北九州と東京、大阪で糖質制限食を提供しアドラー心理学に基づいた生徒指導塾「三島塾」塾長を務める。指導の傍ら、執筆や講演活動と幅広く活動中。著書に『糖質制限で子どもが変わる!三島塾レシピ』(主婦の友社)などがある。
日経DUAL記事

自身の糖尿病をきっかけに始めた糖質制限食付き学習塾「三島塾」

__先生の糖質制限食との出会い、さらに三島塾で糖質制限食を提供することになった経緯を教えてください

58歳の頃、糖尿病を患い予備校の授業を続けるのがつらくなり、退職して個人塾をすることになりました。専門医に通院するも一向に良くならず、糖質制限の第一人者である江部康二先生の糖質制限食を半年ほど実践したところ、服薬なしで寛解しました。体重も78㎏から60㎏に。現在は、通院もせず、毎週新幹線と飛行機で東京・大阪・北九州の教室を飛び回り、子どもたちを年中無休で指導しています。こう見えて今年で70歳、孫がいるおじいちゃんです!

生徒たちからは、私がいつも元気な様子を見てあやかりたいという声があり、三島塾でも糖質制限食を6~7年前ほどから提供することに。それまでは、コンビニ食で眠くて勉強に集中できなかった子どもたちが、一変して集中力を発揮し、偏差値が10上がる子も珍しくありません。子どもにも糖質制限食は効果が得られると実感しています。

__三島塾にはどんなお子さんが通われているのですか?

補習、受験対策の小中高生、浪人生から、不登校、LD、ADHDの子までさまざまです。入塾条件は不問、定員は各教室1日8名のみの先着順です。集団個別方式を取り入れているので、異学年の子どもたちが同じ教室で自習し、各自のカリキュラムをこなし、分からないときに質問をするという学習スタイルです。私が子どもたちを長年指導する中でたどりつた「ほめない(小さい子はほめます)」「叱らない」「(こちらの都合で)教えない」というモットーがアドラー心理学と一致していたことを知り、アドラー心理学の教えも取り入れた指導をしています。

__最近の子どもたちの食生活を見てどんなことを感じますか?

お肉は食べるけれど魚を食べない、おやつは市販のジャンクフード、食事はおにぎり、菓子パン、麺中心の俗にいう“糖質中毒食”のお子さんは多いですね。おそらく、便秘がち、風邪をひきやすい、隠れ糖尿病のお子さんもいるのではないでしょうか。一方で、爪に白い斑点がある亜鉛不足、抜け毛の多い鉄分不足など、ビタミン・ミネラル不足があると感じます。

正しい知識を教えたら、子どもたちがコンビニへ行かなくなった

__三島塾の生徒たちは、糖質制限食をどのように理解していますか?

私の糖尿病の体験はもちろん、がん患者の友人、持病がある生徒もいます。それで、病気と食事の関係についてよく話しますし、教室の壁にもさまざまな張り紙をしているので、自然と死生観も学んでいると思います。「人は皆死ぬ、ならばどう生きるべきか、今何を食べるべきか」と考えられるようになっています。特に糖質を取りすぎるとどうなるかは、身をもって伝えながら食事を作っていますし、生徒自身も「勉強時に眠くならない」といった効果を実感していますから、三島塾では糖質制限食が当たり前になっていますね。塾生はいつしか、コンビニにも行かなくなりました。あとは「食品はラベルを見て買うように」と伝えています。将来、自分で食事を選べる子になってほしいですからね。

イライラする、やる気が出ない、眠くなる、赤ちゃんの夜泣きも糖質のせいかも!

__子どもに糖質制限食にするとどんないいことがありますか?

実話で申しますと、不登校児が三島塾に通い出して3ヵ月で学校に行けるようになったり、重度のADHDで学校から退学を勧められていたような子が3か月で授業に集中できるようになったりしています。健康なお子さんはめきめきと学力をつけていくので、3か月ほどで偏差値が10伸びることも少なくありません。

__小さい子でも糖質制限は効果がありますか?

私の孫が赤ちゃんの頃、「夜泣きがひどい」と聞いていたのですが、帰省した時、まったく夜泣きをしませんでした。わが家の食事は糖質制限食ですから、母乳に栄養がしっかり行き届いたせいと思っています。一方で、6歳の孫は、いつもはおとなしいのですが、市販のお菓子を与えたら血糖値が急上昇して走り回り暴れ回り暴走してしまったということもありました。

__大人にはどんな効果がありますか?

やる気が出ない、イライラする、心が弱く鬱ぎみ、仕事に集中できない、すぐ眠くなるのも糖質過剰の食生活のせいです。性格や体質は、遺伝4割、食事6割と言われています。家族みんなで糖質過剰な食事をしているから、喧嘩が絶えなかったり、病気がちであったりというわけです。

まずは、おやつと調味料から糖質制限食に変えてみよう!

__糖質制限食は何から始めればいいですか?

糖質制限食は難しいものではありません。例えば、料理にお砂糖はできるだけ使わず(使う場合はラカントなど糖質のない甘味料を)、お酒も糖質ゼロのものを使います。さらに油もラードやバターのように動物性脂肪を中心に使い、植物油は、いわゆるサラダ油は工業製品なので控え、オリーブ油、えごま油、MCTオイルなどを使います。ちなみに、お酢やみりん、お醤油にも糖が含まれているため、あまじょっぱい味付けの和食は糖質が多いので注意してください。

__おやつや軽食はどんなものを食べればいいですか?

脳の栄養=ブドウ糖というのは、実は企業の戦略です。脳は脂肪6:タンパク質3(乾燥重量)でできており、体内で脂質からケトン体を作り脳のエネルギーとして使うので、ことさら糖質を取る必要はないんです。
ですから、おやつに菓子パンやおにぎりはできるだけ控えて、代わりに冷凍バター、ナッツ、干し貝柱、低糖質チョコレート(添加物の少ない製菓用が◎)、グリコのsunaoのような低糖質アイスを上げてください。ジュースやスポーツドリンクには、ブドウ糖果糖液糖が使われており糖の吸収が早く急激な血糖上昇を引き起こす(ペットボトル症候群)ので控えたほうが良いです。飲む場合は果実を絞ったものを週にコップ1杯程度に。

「本当に大丈夫?」と思うかもしれませんが、未就学児くらいの小さい子どもの舌は敏感で、生涯の味を決める大事な時期です。食材の持つ本物の味を教えるのにはいい機会です。まずは3日、3週間、3ヵ月とトライしてみてください。脳は3ヵ月で入れ替わります。3ヵ月後には家族みんなで良い効果が得られるはずです。

無理せず、おいしく楽しくを基本に!

__糖質制限食をする際の注意点を教えてください

「これはすごい!今日から糖質制限食にしよう」と思ったお母さんは、家族には知らせず徐々に変えていくのがポイントです。たとえば、先述した調味料に変えたり、お米などの主食は最初から出さない“料亭方式”で、最後に食べたい人に少し出すなど。ともかく、精製糖質の米、小麦粉、砂糖の「3つの白いもの」を台所からなくしていきましょう。

私のように糖尿病の治療として糖質制限食をするのでなければ、無理せずおいしく、楽しくやれる範囲でいいと思います。学校給食を否定するとトラブルの元になりかねませんから、まずは家庭内の食事、朝食・夕食・おやつに取り入れ、お母さんの手のひらの上で実行してください。今はスーパーやコンビニでも糖質制限食品が購入できますから、上手に利用しましょう。

以下で私のおすすめレシピとそれを使った献立例をお伝えします。

[レシピ例]

※1:卵料理/一日3個を目安に、目玉焼き、卵焼き、オムレツ、スクランブルエッグ、温玉、だし巻き卵、かきたま汁…お好みで

※2:手羽先スープ(一人分)/手羽先2本、にんじん2㎝、玉ねぎ8分の1、糖質ゼロ酒50ml、海塩適量、水150ml

※3:ルーなし無水カレー/豚肉切り落とし100g、にんじん2㎝2個、玉ねぎ8分の1、オクラなど緑のもの、カットトマト100㏄、低糖質ケチャップ大さじ1、赤ワイン30ml、塩・コショウ・カレーパウダーを適量

※4:ポトフ/鶏手羽元2本、にんじん3㎝、玉ねぎ4分の1、キャベツ、ブロッコリー適量、ゆで卵1個、糖質ゼロ酒50ml、水150ml、塩・コショウ少々

[献立例]

朝:手羽先スープ(※2)、低糖質パン、卵料理(※1)

昼:カレー(※3)、温玉、低糖質パスタ、季節の野菜・果物、お茶(麦茶、ルイボスティー)

夜:ポトフ(※4)、低糖質パン、手羽先スープ(※2・できるだけ毎日)、卵料理、季節の野菜・フルーツ

主食は基本なし(食べたいときは、小分けラップで冷凍したご飯を温めて食べる)。

主菜・スープは、電気圧力鍋(内窯がテフロンではなくステンレスのもの)を使うと、時短になり、保温や作り置きもできます。

__最後に、読者へメッセージをお願いします

昔は、子育ては村の共同作業でした。今は、産んだ責任、しかも、核家族、女性の社会進出で、楽しいはずの子育てが苦痛に。さらにお受験が追い打ち。こうしたお悩みを一気に解決するのが、精神論ではなく食育です。食を変えて、家族でハッピーになりましょう。


※著書『糖質制限で子どもが変わる!三島塾レシピ』(主婦の友社)

いかがでしたか。子どものイライラや反抗期は、成長の過程くらいに思っていたので、糖質制限食で改善できると知り目からウロコでした。これからやってくるわが子の学童期や思春期の悩みも糖質制限食を取り入れることで、上手く乗り切れそうな気がしてきました。詳しいレシピなどは三島先生の著書をご覧ください!

また、三島塾に興味を持たれた方は、お気軽に見学やご相談をお問い合わせください、とのことでした。misimyk@yahoo.co.jp

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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