チェックシート付き!「いい子」だってストレスを抱えている!?

チェックシート付き!「いい子」だってストレスを抱えている!?

幼稚園や学校では品行方正、親の言うこともよく聞く、俗に言う“いい子。毎日の子育てに悪戦苦闘しているママからしたら、「育てやすそうでうらやましい」と映りますが、悩みと無縁かというとそうでもありません。

実際に、「あの子はいい子」と言われる子が、心の中に大きなストレスを抱えていることがあります。

そこで今回は、「いい子ゆえのストレス」にフォーカスを当て、親として心がけたいことをお伝えしていきます。

日経DUAL記事

「あの子は大丈夫」と見過ごされやすい“いい子タイプ”

幼稚園などでクラスを見渡すと、たいがい「いい子」というイメージがぴったりのお子さんがいます。中には、「うちの子がそう」「本当に育てやすくていい子」と感じているママもいるでしょう。

実際に心理研究でも、もともとの生まれ持った気質により、育てやすいタイプの子がいることが分かっていて、このタイプのお子さんは、

・新しい状況に置かれてもすっとなじみ
・活動も活発でよく遊び
・睡眠や食事習慣が規則的

俗にいう“手のかからないタイプ”です。

その研究によれば、だいたい4割がこのタイプ。一方、育てるのが大変だと親が感じやすい子は全体の約1割だったそうです

育児本やネットの育児情報はお悩み解決系が中心なので、手のかからない“いい子気質”の子が4割もいるなんて、ちょっとびっくりかもしれませんが、逆に、それだけ世間の目は、育児のお悩み解決に向けられていて、「あの子はきちんとしているから大丈夫」というタイプは見過ごされがちとも言えるのです。

いい子気質の子は、はたからみたら、心配いらずの育てやすそうな子。でも実際、その子たちがみんなスルスルッと育っているかというとそうでもなく、悩んでいても、それを外に見せようとしないので注意が必要です。

「いい子気質×ママの接し方」のバランスチェック!

では、「いい子気質」の子の中で、ストレスや悩みを抱えがちなのは、どんな子なのでしょうか。まずは、次にあるチェックリストに、イエスかノーで回答してみてください。

このチェックリストは、いい子気質の子に合った関わりができているかを見る内容になっています。

10問の回答のうち、1~5にYES、6~10にNOが多ければ多いほど、お子さんの”いい子気質“にマッチした接し方ができているので、ストレスを抱えていないと言えます。

一方、1~5にNO、6~10にYESが多かった方は、親の力がやや強くなっている傾向がありますので、今後、ストレスを抱えさせないためにも、早めに軌道修正をするのがおすすめです。

「その子の気質×親の接し方」のマッチングは非常に大事だと言われています。どの子にも共通して大事な「愛情を注ぐ」「スキンシップを心がける」のような育児のゴールデンルールとは別に、その子の気質に合わせた接し方というのも求められるのです。

たとえば、前述の育てるのが大変だと感じやすいタイプの子は、親が昨日は「いいよ」と言ったことに、今日は「ダメ」と言ったりしたら、泣き叫んでも抵抗しようとします。親がきちんとルールを提示し、一貫性のある対応をすることがポイントとなるパターンです。

一方、いい子気質の子は、親がルールや規則でがんじがらめにしてしまうと、窮屈な思いをします。いい子気質の子でも、勝手にすくすくと育ってくれるわけではなく、相性のいい接し方をしていかないと、やはり矛盾が出てきてしまうものなのです。

「うちの子いい子気質かも」と思ったら気をつけたいこと

いい子気質の子は、親の干渉が大きすぎると、ストレスを抱える傾向があります。主には、

・親の期待や求めるハードルが高い
・親が課すルールが厳しい
・親の「こうしたい」という思いが強い

この場合に起こりやすいと言えます。

いい子気質の子は、もともとの性分で、「期待に応えよう」という思いが他の子よりも強いので、親が託した期待が多ければ多いほど、高ければ高いほど、それだけがんばってしまいがち。

とくに、親が、「1位だったらいい子」「ビリだったら悪い子」のように、結果や成果でその子の良し悪しを判断するような言動や行動をしてしまうと、

「ママは、いい子のボクが好きなんだ」
「失敗したら、ママに嫌われちゃう」

と考えるようになることがあり、純粋なモチベーションでは動けなくなってしまいます。自分の好みはさておき、ママの顔色を満足させるためにがんばっていては、いずれひずみが出てきてしまいます。

いい子気質の子に必要なのは、ほどよい自由度や遊び心!

「ナイスアイデアだね。ママもそれやってみたい!」
「すごい、これ自分で考えたの? すっごくユニークでいいね」

のように、オリジナルのアイデアをほめられる経験

「洗濯すれば大丈夫、泥んこになって遊んじゃえ」
「今日はみんなで夜遊びしちゃおう」

のように、ハメを外し、いい子の枠から飛び出す経験

がとくにおすすめです。

いい子気質の子は、人に言われたことに沿うことは得意ですが、独自の発想を生み出すことが苦手な傾向があります。

これからの時代は、創造力や発想力のように、自分から起案する力が求められますので、自分の収まっている殻から飛び出すことで得られる気づきや視点も大事なのです。

「失敗してもいい」「失敗なんてそもそもない」こういうインプットが、いい子気質の子たちのストレスを緩和してくれます。

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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