受験期にも取り入れたい!子育てにマインドフルネス(禅)のすすめ

受験期にも取り入れたい!子育てにマインドフルネス(禅)のすすめ

最近話題になり始めている「子どものストレス」。学校での人間関係や勉強などでストレスを抱える子どもはもちろん、子育てでストレスを抱える親まで。今や「ストレス」は一般家庭にまで大きな影響を与える問題になってきました。そんな中、世界中で注目されているのが「マインドフルネス」や「禅」です。心の筋トレとも呼ばれ、世界のビジネスリーダーやトップアスリートの間で取り入れられています。

今回は、ご自身も大企業の経営トップとしてご活躍され、現在はマインドフルネスや禅をベースにしたリーダーシップ研修や講演を数多く手掛ける島津清彦氏にSHINGA FARMの読者向けに役立つ「マインドフルネス」「禅」についてのお話を伺いました。

島津清彦(“禅の心“で人・組織を強くする「ZENマインドプロデューサー」)
元スターツピタットハウス代表取締役。元ソニー不動産取締役。経営者と禅僧という二つの顔をもちながら、現在は官公庁、大手企業を中心に禅を活かした経営・組織開発コンサルティングやリーダーシップ研修、講演、坐禅指導等を行う。座右の銘は一日一生。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』BSジャパン『日経プラス10』日経ビジネス、などメディアにも多数取材出演。株式会社シマーズ株式会社ZENtech
日経DUAL記事

国内外のビジネスリーダーが注目する「マインドフルネス」・「禅」とは?

近頃よく耳にする「マインドフルネス」や「禅」。あのスティーブ・ジョブスも「禅」に注目していたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。ヨガやマインドフルネスなど、「禅」をベースにした教えが世界中で注目されています。

マインドフルネスは、禅の教えをベースに1970年代にアメリカでストレス低減法として生まれました。瞑想などを通じ、今の呼吸に意識を向けることで、現状に正しく集中し、心を整える技術を身に着けることができます。

脳科学的にも不安やストレスの軽減効果が実証されており、集中力を高め、ベストパフォーマンスを発揮できるようにとグーグルやフェイスブックなどの大企業が企業研修に採用したりしています。

有名スポーツ選手もメンタルトレーニングとして取り入れ、今やビジネス界だけでなく、スポーツ界でも注目されています。

島津氏と禅との出会い

大学卒業後、営業マンからスタートし、42歳で上場企業の経営トップとしてご活躍された島津氏。順調にキャリアを重ねてきた島津氏ですが、東日本大震災での被災をきっかけに家族の大切さに気付き、退職を決意されたそうです。そして島津氏が退職後に出会ったのが「禅」。自分が経営者時代に行っていた言葉によるマインドセットは「禅語」に通じていたことに気が付き、出家、得度し、現在はマインドフルネスや禅をベースに様々な企業の人材開発や組織開発のコンサルティングをされています。

これまでは、企業向け研修や講演依頼が多かったそうですが、最近では「2~3歳のお子さんを持つお母さん向けの禅のワークショップ」や「モンテッソーリ幼稚園児向けの坐禅」など教育の分野での講演やワークショップの依頼が増えてきているそうです。

ストレスフルな現代、教育の場でなぜマインドフルネスや禅が注目されているのかを詳しくみていきましょう。

子育てにも「マインドフルネス」・「禅」は応用できる!

子育ての中で避けて通れないのが「子どもを叱る」事。子育てでは必要なことですが、子どもを叱ることで自分の心を痛めているママも多いと島津さん。

そんな現代の子育て世代のママ&パパに対しては、「まず自分を大切に。そして何事も余裕を持つこと。さらに、子どもへの優しさや愛には“強さ”が必要です。この強さには他人の眼を気にしないという意味もあります。自分を信じ、自分の感覚を信じましょう」と教えてくださいました。

__禅の教えとは一言で分かりやすく言うと、どんなことなのでしょうか。

「禅の教えというのは、“今、ここ”なんです。お子さんのこと、家族の将来のこと…さまざまな不安や悩みは過去や未来であることがほとんどですよね。今にフォーカスできれば悩みがない。今この瞬間に集中するには、今の呼吸に意識を向ける。これがマインドフルネスです。お母さんの心が整えば、余裕が生まれ、ストレスも少なくなるのではないでしょうか。以前、幼稚園で坐禅のワークショップを行ったのですが、それまで騒いでいた子ども達がチーンという鈴の音を聞いた途端、シーンと静まり返ったんです。それを見たお母さんから「心が安らぎました」という声を頂きました。普段頑張っているお母さんたちに心のゆとりが生まれたのかもしれませんね」(島津さん)

__マインドフルネスや禅は子どもでも取り入れられるでしょうか?

「近頃は子どものうつも社会問題となっています。昔では考えられなかったことです。私の知人に、家族で坐禅を実践している方がいます。中学生の男の子ですが、毎日10分親子で坐禅をするようになって、今までスポーツの試合で一度も勝てなかった相手に勝つことができたそうです。瞑想することで集中力やストレス解消、思いやりの心も生まれます。小学生くらいからはマインドフルネス坐禅もできるようになるので、心を整えるトレーニングとして坐禅をするのもいいと思います。イギリスでは、キッズ向けマインドフルネスのTV番組まであります」(島津さん)

こういった背景を受け、最近では、島津氏の元に、幼稚園や保育園の先生向けにマインドフルネスや禅の研修依頼が増えてるそうです。

大人が心を整えれば、ゆとりが生まれ、子どもとのコミュニケーションも円滑になり、子育てや教育の場において良い環境が作れるのではないでしょうか。

子育てを頑張るママに送る禅語「天上天下唯我独尊」

インタビューの最後に、子育てを頑張るママに送る禅語を教えて頂きました。

「私が好きな禅語の中に、天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)というのがあります。これは、“この世に生まれた私もあなたも一人一人がみんな尊い唯一無二の存在です”ということ。今のママ達は、自己肯定感が低いとも伺います。

他人と比較しない、比べない。ママも世界に一人だけのかけがえのない存在であるということを忘れずに、自分を大切にしながら、子育てを頑張って下さい。
忙しいママにも1日5分の瞑想の時間を取ってもらうと良いですね」(島津さん)

今回は、マインドフルネスや禅の講演会でご活躍中の島津氏にお話を伺いました。

インタビューでは、島津氏の温かい言葉が、子育て世代のママたちの心に沁みて、「癒された」という編集部のスタッフもいました。

ハイスピードで物事が進む現代。自分のための時間を作り、自分と向き合い、自分の心の声を聞き、心を整える。こういったマインドセットが大人にも子どもにも必要なのかもしれません。

島津さんの著書がこちら。『仕事に活きる禅の言葉』サンマーク出版(中央)

イタリアで翻訳出版された同書(左)、『翌日の仕事に差がつく おやすみ前の5分禅』天夢人(右)。「今後は子育てママに贈る禅の本を書いてみたい」と島津さん。

photo:Fujiki Miho

著者プロフィール

クリエイティブディレクター。GUCCI、CHANELの日本法人勤務を経て独立。現在は、ファッション、ビューティー、子育てなどライフスタイルのコラム執筆、国内外ブランドPRコンサルタントを始め、メディアや企業スタイリスト、企業セミナー講師、PRモデルなどを行う。プライベートでは、ブラジル人の夫とインターナショナルスクールに通う娘の3人暮らし。主な取得資格として、学芸員資格、中学2種美術教育免許状などがある。https://www.karenstyle.jp

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