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幼児教育のプロ、伸芽会の先生がアドバイス!「3~5歳年齢別!読んでおきたい絵本と読みきかせのコツ」

幼児教育のプロ、伸芽会の先生がアドバイス!「3~5歳年齢別!読んでおきたい絵本と読みきかせのコツ」

幼児期の学びにとって欠かせない絵本ですが、「何歳でどんな絵本を選ぶべきか難しい」「どんな風に絵本を読めばいいかわからない」「いつも読む絵本が同じになってしまう」「絵本がどんどん増えていく一方」などと悩まれる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、伸芽会教育研究所の飯田先生と、しんが~ずクラブの木村先生に「幼児期に読んでおきたい絵本と読み方」についてアドバイスいただきました。

マンネリ化しがちな読み聞かせ時間を学びに変える質問力についても必見です!

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年齢別、絵本を選ぶ際の目安

まずは、伸芽会の飯田先生に年齢別で絵本を選ぶ際の目安をお聞きしました。

【1~2歳】

乳幼児には「わらべうた」などのお歌が入るような絵本や、リズムが楽しい言葉遊びの絵本など、視覚だけでなく聴覚を刺激するような絵本を選ぶといいでしょう。この時期は何よりも絵本を読んでもらうことが楽しいと思えるような仕掛けをしてあげてください。

【3~5歳】

言葉が分かるようになってきた3歳以降は、想像力や考える力を養う絵本がおすすめです。
その際、ぱっと目に飛び込むカラフルなタッチの絵もいいですが、時にはモノクロだったり言葉がないような暗いトーンの絵本も選んでみると、想像力がさらに膨らむはずです。

基本は「親が見て楽しい、読んでみたいと思う本でいいんです」と飯田先生。
エリック・カールのようなカラフルでポップな絵の迫力や、『すてきな三人ぐみ』(偕成社)のような暗いトーンの世界観と、さまざまなタッチの絵を選んでみてください。

ちなみに、すてきな三人組は伸芽会でも今月のおすすめ絵本として扱っていますが、表紙は怖そうなのに、お話を読み進めるにつれて、まさしく「すてきな」暖かみをお子さんも感じると思います。大人になっても記憶に残っていたらいいですね。

絵本は「数を増やせばいい」ではなく、「愛聴書」を作って

絵本は数を増やせば増やしただけ、本が好きになるし語彙力が高まるというわけではありません。私は「数を増やさねば!」になりすぎなくていいと思っています。それよりも、大人に愛読書があるように、子どもが何度も読みたくなるお気に入りの「愛聴書」を作ってあげましょう。同じ絵本をくりかえし読み聞かせをする際も、「そのまま読む」「行間を読む」「言葉の意味を問う」などの仕掛けをしていくことで、年齢に応じて感じ方も変わってくるはずです。

対象年齢は上げすぎに注意!

多くの絵本には対象年齢が書いてありますが、私が知る限り、親御さんはお子さんの年齢よりも少し上の絵本を選びがちなように思います。何かその絵本を読みたい特別な理由がある場合はいいのですが、絵本には原作者の意図があり、それを理解できる対象年齢を考慮して作られていますから、あえて上の学年のものを読む必要はないと私は思っています。

個々の発達にもよりますが、たとえば3歳と5歳では語彙も心の感じ方もレベルが違います。まずは対象年齢相応の絵本から読み聞かせて、その子のペースで興味の幅を徐々に広げていってください。

幼児教育のプロが選ぶ、おすすめの絵本5冊!

続いて、伸芽会が運営する託児施設しんが~ずクラブの木村先生に、実際に園で読み聞かせしているおすすめの絵本をご紹介いただきました。

【1~2歳におすすめ!】

あかちゃんのわらべうた『えんやらりんごの木』(松谷みよ子 文・遠藤てるよ え/偕成社)

この絵本には、昔懐かしいわらべうたが書かれています。園でもざわざわしている教室でおもむろにこの絵本を広げて歌い出すと、1~2歳の子たちも静かに聞いてくれます。ポイントは情緒たっぷりに歌うこと。心地のいいわらべうたの音感に触れるのも幼児にとっては貴重な体験になるはずです。

【2~4歳におすすめ!】

『おやおや、おやさい』『くだもの だもの』(石津ちひろ 文・山村浩二 絵/福音館書店)

タイトルにある通り、ダジャレをふんだんにつかった言葉遊びの絵本です。最初は楽しい言葉のリズムから入りますが、そのうち真剣に絵を見て野菜に興味を持ちだします。西洋野菜や子どもにとっては馴染みのないニンニクなどもあるので、スーパーにお買い物に行った際に実物を見て学びが深まります。細部まで描き込んである絵のタッチも素敵です。

【5~6歳におすすめ!】

『ラチとライオン』(マレーク・ベロニカ ぶん、え・とくながやすもの やく/福音館書店)

弱虫の男の子が、守る存在(ライオン)ができたことで次第にたくましくなっていくお話です。園でも、1学年上がったとたん「何があったの!?」と思うくらいお兄ちゃんになることがよくありますが、守るべき存在ができるという自覚は子どもを大きく成長させます。妹や弟が生まれたときや、園児であれば進級前の3月頃に読むのがおすすめです!

【働くママさんにおすすめ!】

『よるくま』(酒井駒子/偕成社)

小さな男の子が、大好きなお母さんを探す「よるくま」のために一緒に冒険するお話です。言葉は多くないけど、子どもの語り口調がすばらしく、「本当はお母さんといつも一緒にいたいけれど、お仕事だから……」という園児の気持ちがよく描かれていて、働くお母さんは1ページ目で涙してしまうという方も。子どもたちにも大人気で、幅広い年齢で読み聞かせができる絵本です。働くお母さんはもちろん、お父さんにもぜひ読んでほしい1冊です。

【ギフトにおすすめ!】

絵巻じたて ひろがるえほん『かわ』(加古里子 さく・え/福音館書店) 

1966年から発売されている超ロングセラー。繊細な水彩画のタッチで両面描かれた昭和の田園風景からは、「山から流れる川が海につながる!」という発見ができます。

一番の特長は、長い絵巻仕立ての絵本になっているので、床いっぱいに広げると迫力たっぷりで子どもたちも盛り上がること間違いなしです。箱に入った装丁はプレゼントにも喜ばれます。

【まとめ】

いかがでしたか。「言語の獲得は母語である日本語からはじまります」と飯田先生。

幼児期にいい作品に触れることで、正しいものの見方が養われ、心も育ちます。まずは手に取って「懐かしい」「楽しい」と感じるものから気負いせず読み聞かせをしてみましょう。

また、「小学校受験をするなら、読み聞かせを夜寝る前だけの習慣にしていると、本番の試験中に眠くなってしまうことがあるので、いろいろな時間帯で読むようにしましょう」とのことでした。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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