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読書の秋! 小学校低学年で読書好きにさせる6つのルールとは?

読書の秋! 小学校低学年で読書好きにさせる6つのルールとは?

文字の読み書きも覚え、絵本だけとはいかなくなる小学1年生。とはいえ、「なかなか自分から本を読んでくれない」「どんな本を読ませればいいのかわからない」というママは多いはず。

そこで、低学年のうちに学習習慣を身につけるプロである、しんが~ずクラブ学童池袋西口校の豊岡先生に、低学年担当の先生にオススメの本や読書好きにさせるコツを伺ってきました。小学校低学年ママ・パパ必見です!


しんが~ずクラブ学童 池袋西口校 豊岡典子先生
日経DUAL記事

ルールその1 読み聞かせでイメージ脳を鍛えよう!

読み聞かせ=未就学児ではありません。耳から入る言葉でどんどんイメージ脳を鍛えていきましょう。絵本でも本でも構いません。小学校に入ったら読みたいテーマを設けて一緒に本を選んで読み聞かせをするのもいいでしょう。私自身は小学校の高学年まで読み聞かせをしていいと思っています。

ルールその2 親が先取して子どもが本が手に取る環境を作る!

図書館でも本屋さんでも、子どもに本を選ばせると、どうしても好きなものに偏ってしまいがちです。それもいいのですが、加えて親御さんから、お子さんが興味のありそうなものを先取して選んであげることも大切です。

選ぶポイントとしては、「表現がきれいなもの」「道徳的な内容のもの」「長く受け継がれているもの」。たとえば、各出版社の児童推薦図書は間違いないものが揃っています。

自分で読ませるコツとしては、親子で途中まで一緒に読んでみて、興味がでてきたら「ここからは自分で読んでみて」でいいと思います。

また、国語でも算数でも問題を早く正確に読み解けなければ答えは出せません。文章問題を「イヤイヤ読む子」より「ワクワクしながら読む子」の方が読解力も上がります。ですから、文字を読むことが好きになる工夫が、読書好きや学習習慣を養う第一歩なのです。

ルールその3 分からない言葉はその都度指摘しないこと!

絵本でも読書でも、読み聞かせをしていて「この言葉の意味わかってる?」などと聞きたくなることがあるでしょう。でも、子どもは大人が思っている以上に物語の流れの中で意味を推論して読むことができますから、必要以上に指摘するのは禁物です。

読み終えてから「この意味わかった?」などと質問してみたりしましょう。読み仮名がある本であれば、多少意味が分からない言葉は読み飛ばしながらでも自分で読み進めることで、文章の推察力もアップしていきますよ。

ルールその4 読み終えたらあらすじ3行文に挑戦してみよう!

本は読みっぱなしではなく、できればアウトプットしたいもの。ですが、低学年に本の感想日記を書かせると「たのしかった」で終わってしまいがちです。

そこで考えたのが、あらすじ3行日記というもの。読書タイムの1時間の中で、その本のあらすじを3行で書いていくもので、この夏休みに、しんが~ずクラブ学童でも実際にやってみた取り組みなのですが、みんな自分の言葉で必死に考えてアウトプットできていました。

完ぺきでなくても、本の内容と合っていれば1年生なら大丈夫。これを自宅でも続けていけば、十分文章力が養えます。また、読み終えたらシールを貼って「10冊ごとにスペシャルシール」など、達成感を味わえるしかけもいいでしょう。

ルールその5 読書嫌いな子にはシリーズものがおすすめ!

特にじっとしていることが苦手な男の子に多い読書嫌い。「どうすればうちの子も本が好きになりますか」とよく親御さんからも相談を受けます。そこで私は「必ずどの子も夢中になれる本のジャンルがあるはずなので、それを一緒に探していきましょう!」と言っています。

実際に、しんが~ずクラブ学童のお子さんで、本を触りもしない男の子がいました。探っていく中で、彼は動物の生態に興味があることが分かり、「シートン動物記」をオススメしたら大ハマり。そこから本が大好きな子になったということがありました。

他にも、なぞなぞ好きな子なら「ホームズなどの探偵もの」、冒険が好きな子なら「旅をテーマにした11匹のネコシリーズ」、お菓子が好きななら美味しいお料理やお菓子が出てくるもの「かぎばあさん」など。どんどん読んでいけるシリーズものもおすすめです!

ルールその6 TVを主役にしないこと!

「忙しいお母さんなどはどうしても食事の支度中にTVを見て待ってて!」などTVに相手をさせてしまうこともあるでしょう。ただ、食事中もTVがついていたり、だらだらとTVを見ているのは避けたいですね。

というのも、TVは一方向の情報発信手段ですから、見る側はどうしても受け身になります。子どもは、目と目を見て会話する時間、言葉を発する会話で、人との距離を勉強していきます。TVを主役にせず、会話や読書する自主的な時間を増やせるといいですね。

プロが選ぶ、低学年におすすめしたい3冊!

『ちいさいおうち』作・絵:バージニア・リー・バートン、訳:石井桃子(岩波書店)

一軒の家を主人公にした町が発展する様子を描いた本。時代背景も面白く、大人が見てもイメージが広がります。とても読みごたえのある本です。

『スーホの白い馬』再話:大塚勇三、画:赤羽末吉(福音館書店)

遊牧民の貧しいスーホと白馬の友情を描いた物語で、馬頭琴の由来となったお話です。教科書で読んだことがある方も多いでしょう。動物と少年の物語は子どもも感情移入がしやすく、文字や量も低学年にぴったりだと思います。

『ハリー・ポッター賢者の石』作:J.K.ローリング、訳:松岡祐子、絵:ダン・シュレシンジャー(静山社)

やや字が細かいので、2~3年生が適齢かもしれませんが、好きな子は1年生でも読んでいます。何度も繰り返し読んでもいいですね。次が読みたくなるシリーズものです。本の後に映画を観るのもいいですね。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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