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学習習慣の基礎は幼児期からの“TO DOリスト”にあり!

学習習慣の基礎は幼児期からの“TO DOリスト”にあり!

子どもに「生活習慣を身につけさせたい」「自ら進んで行う学習習慣をつけさせたい」と思っておられる親御さんは多いでしょう。それに効果的な具体的方法として、やることのリストを作る“TO DOリスト”という方法をご紹介致します。

TO DOリストとは、現在するべきことを紙やホワイトボードに書き出したものを言います。このリストを作ることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。

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TO DOリスト作成のメリット

するべきことが自分の頭の中で明確化される

するべきことが分かっていても、多くあると忘れたり、煩雑になってくるものです。整理して文字に書きだすだけで、するべきことが頭の中で、明確化されるでしょう。

するべきことが視覚化される

するべきことを文字にすると、行動が視覚化されます。特に子どもは、ハッキリ目で見ることにより、次の行動にスムースに取り組みやすくなるでしょう。その結果、時間が効率的に使えるようになります。

では次に実際試してみられた方達の声をご紹介致します。

●両面使えるマグネットに「帰ってきたらやること(手洗い、うがい、着替えなど)」「できた!」と書いて裏返すこともできるので、3歳くらいの頃はそれが楽しくてやれていました(中央区・4歳の男の子ママ)

マグネットカードを裏返す作業は、子どもにとっては楽しいことです。裏返すことを喜び、毎日続けることで、習慣化されてきますね。

●4,5歳頃は字を間違えやすいので、すぐに消して書き直せるミニホワイトボードも文字の練習としては効果がある気がします。あとは単純に先生ごっこみたいで楽しいらしいです。100円ショップで月~日のマグネットを貼ると漢字の勉強にもなります(江東区・5歳女の子のママ)

文字を覚え始めたばかりの子どもにっとっては、リストを書くのも文字の練習になります。ホワイトボードだと、間違っても直ぐに消すことができ、便利ですね。

●小さなホワイボードに親子でその日頑張ることを書いています。ママは1週間の夕飯の献立を書いて冷蔵庫に貼っています。仕事から帰って作るものが分かりやすいし、子どもも「今日はハンバーグだね」などと朝から楽しみにしています。帰宅が遅いパパからのメッセージを書いたりも。親子でTO DOリストの活用、おすすめですよ!(港区・6歳女の子のママ)

TO DOリストを「わが家流」に活用されている良い例ですね。その日の頑張り目標をひとつ決めて書きておくことで、意欲も湧きますし、「今日は、これが頑張れた!」と自信につながっていくでしょう

TO DOリスト作成5つの注意点

このようにとても効果的で便利なTO DOリストですが、作る時の注意点を説明します。

その1 するべきことの的を絞って書く

リストを考えて書く時、つい、あれもこれもと、たくさん上げ過ぎてしまう人がいます。たくさん書いても実行できなければ意味がありません。本当にしなければならないこと、するべきことのみを考え、書き出しましょう。

その2 1つのリストに1つずつ書く

ひとつのリストに、書くことは一つにしましょう。例えば「宿題と時間割は6時までに済ませる」これだと6時までに済ませることが宿題と時間割の2つになります。

時間割は出来ても、宿題が出来なかった場合も起こり得るでしょう。ですので、ひとつのリストには、するべき行動をひとつに絞って書くことが大切です。

その3 目につく所に掲げる

書いたリストは目につく所に掲げましょう。例えば居間の時計の横、冷蔵庫の扉など、毎日必ず目をやる所に貼るとよいでしょう。

その4 期限を書く

リストの内容にもよるのですが、例えば「本を1冊完読する」とした場合、必ず日にちも書きましょう。「1週間以内」「〇月〇日まで」と期限も忘れず、記しておきます。

その5 幼児期は、生活習慣からTO DOリストの練習を

幼児期からこのTO DOリストに慣れておけば、小学生の頃には、自分で学習のTO DOリストを作成できるようになっていくでしょう。幼児のTO DOリストの使い方例として、次を参考例をお伝えします。

●「3歳からの身支度リスト」

手を洗う、うがい、リュックをしまうなど、毎日行う生活習慣を身のすべきリストをマグネットシートに書き、できれば、それを裏返していきます。
シートを裏返すことが楽しくて、子どものやる気もアップするでしょう。

●「5歳からの頑張るリスト」

1週間毎日の勉強でも遊びでもがんばる予定を自分で書くなど、1日1つ頑張ることを決め、達成していくことを目標とします。日々の小さな頑張りを積み重ねていくことで、いつの間にか大きな頑張りができるようになっていくでしょう。

TO DO リスト、やがては子ども自ら活用できるのが理想!

わが家でもTO DOリストは子ども達が幼い頃から取り入れておりました。

最初は「くつは脱いだら揃える」など生活習慣で特に身につけたいことを書き、小学生になると、日々の学習目標をカレンダー形式の表にして、視覚化。できた日は、花丸をしていくようにすると、1ヵ月後には頑張った努力も目に見える形で残りました。

自由に消せるホワイトボードも便利ですが、学習に関しては、残っていくカレンダー形式や、ノートへのTO DOリストがおススメです

何故なら、学習した内容や分量の記録になり、積み上げた努力も可視化されるからです。それによって、達成感を得られ、更なる意欲に繋がるでしょう。

是非、TO DOリストを親子で作成し、上手に活用してくださいね。

やがて学年が上がるにつれて、TO DOリストを子ども自身で、工夫して取り入れるようになってきました。

大切な試験や試合の前は、カレンダー形式のTO DO リストを作り、達成できた日は斜線で消し、日々の目標やするべきことは手帳やメモに、効率よくできるように、リストを作っていました。

To DOリスト、最初は親がサポートしながら取り入れ、やがては子ども自身が自ら作成し、使いこなせるようにしていくことを目標としましょう。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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