小学校受験の難易度を幼児教育のプロが解説! 第2回 男の子編

小学校受験の難易度を幼児教育のプロが解説! 第2回 男の子編

「小学校受験」と一口に言っても、学校によってテスト内容や倍率はさまざま。では、「小学校受験の難易度とは何で決まるの?」そんな読者の声にお応えする新シリーズ。
第2回は、伸芽会教育研究所の飯田先生に、男の子における小学校受験の難易度や、できるといい目安について、お話を伺いました。小学校受験を検討されている男の子の親御さん必見です!

日経DUAL記事

共学校では男子と女子で問題の難易度が違う!?

第1回では、「難関校=難しい問題、入りやすい学校=易しい問題ではない」「受験倍率がたとえ1倍以下(定員割れ)でも、落とされる場合がある」といった全体の難易度についてまとめてきました。その中で、男子と女子でも状況が変わってくるというお話があったので、そのあたりを詳しくお聞きしたいと思います。

__共学校において、同じ試験でも男女で難易度が異なるというのは本当でしょうか?
本当です。たとえば、共学の名門校である早稲田実業学校初等部や、青山学院初等部の試験では、同じ試験でも男子よりも女子の方が難しいです。なぜなら、男子と女子の定員が決まっていること、女子の方が発達の特性上、精神年齢の高い子が多いためです。実際に、早稲田実業学校初等部などは、伸芽会の学校別チャレンジテスト(模擬テスト)などで、女子の次点合格(補欠)の子よりも、男子の合格者の点数が低いことがよくあります。

__具体的には男子と女子では問題がどのように違うのでしょうか?
たとえば、ペーパーテストの「数量の問題」。男子の場合は、小鳥の絵が描いてあるプリントを見て、お話を聞き「どれとどれを組み合わせたら10羽になりますか?」など、プリントを見たら、そこに答えがあるという問題が出題されます。一方、女子のでは、「3つ増えたら10になる組み合わせはどれですか?」など、プリントに加え口頭の指示が入る問題になったりします。目と耳を両方使うため、難易度が高い問題が出題されるのです。ちなみに、男子校と共学の男子では出題レベルはそれほど変わりません。

6歳男子が100人いたら話を聞けるのはたったの10人!

__では、男の子の親御さんはどのようなことを意識して小学校受験対策をすればいいでしょうか?
まず大前提として2つのことを申し上げます。
・女子のレベルと息子さんを比べなくていい
・お母様の小さい頃と息子さんを比べないで

前述した通り男子は女子と全く特性が異なります。よく別の生き物だとたとえられますがその通りだと思います(もちろん男子だって可愛いです!)。

「どうして弟はお姉ちゃんのようにできないのかしら?」と比べたり、同じクラスの優秀な女の子と比べたり、まして「ママの小さい頃はもっとできた」などとお母様の幼少期と比べるのはナンセンスです。
なぜなら、6歳前後の男子は、基本的に人の話を聞いてないからです(笑)。100人の一般的な6歳男子がいたら、小学校受験に受かる子は10人です。それは、「話を聞ける子」です。何も難しいことは話しません。「そこから走らず歩いてこの線でぴたっと止まろうね」ができる男子は100人いたら10人しかいないからです。逆を言えば、その10人に入れるお子さんであれば、小学校受験に向いている男子と言えます。

ママに知ってほしい! 6歳男子の特性

__男子が小学校受験をするには、100人のうちの10人に入っているような子でないと、難しいということですか?
最終的にはそこを目指したいですが、最初からできる子はほぼいませんから安心してください。そのためには、ぜひお母様にぜひ知っていただきたい、小学校受験を意識した6歳男子の習性を10個(本当はもっとあります)お伝えしておきましょう。

1 トイレに行ったら帰って来ない(水道で遊んでいる)
2 名前を呼んでもまっすぐ来ない
3 シャツの裾が出っぱなし
4 ハンカチをポケットにきれいにもどせない
5 鞄の中がぐちゃぐちゃ
6 靴下の裏返しに気づかない
7 靴の左右逆に気づかない
8 ひもを結べない
9 はさみをカチャカチャ鳴らしたり線に沿って切れない
10 つぼのりには5本の指を全部入れる

いかがですか? 絶句された方、「うちと一緒!」とうなずかれる方がいるかもしれません。新年長のスタート時(年中の11月)はこのような感じのお子さんでも、幼児教室でプロが指導しながら、親御さんと一緒になって根気よく対策をするうちに、みるみる変わり、前述した10人に入れる子になれるのです。

お母様に必要なのはずばり、「男の子を変える覚悟」です。ただし、上記の10項目に当てはまるような元気な男の子の場合、ご家庭だけで合格を勝ち取るのは至難の業だと思います。ぜひ長年の経験がある幼児教室のプロを頼っていただければと思います。

男子は、自分の無意識行動に気づけるとぐんぐん伸びる!

__では、まず家庭で何から始めればいいでしょうか?
ここまで読まれた方に「うちは無理だ……」と諦められる方がいらっしゃるかもしれません。
ですが、前向きな情報をお伝えしますと、私立小学校の最難関である慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部の定員は女子より男子の方が多いのです。何度もお伝えしますが、男子は女子と張り合うのではなく、100人の10人を目指せば突破する可能性は高いのです。さらに、これは長年見てきて感じることなのですが、ママのことが大好きな幼少期のうちに、変えてしまう方が、後々楽なのです。小学校受験をする・しないに関わらず「人の話を聞けること」はできたほうがいいですから、ぜひ息子さんを「聞ける男子」に変える覚悟をもってください!

具体的にどんなことをすればいいかというと、
・まっすぐ立ってきちんと挨拶ができるようにする
・手出しをしたり、ほったらかしにしない(根気よく)
・教えるのではなく一緒に考えるくせや選ぶ機会を与える

を意識してみてください。

甘えん坊な男の子は、なんでもお母さんにやってほしいし、自分で考えようという気持ちがありません。そんな彼らに、何かを教え込んだり、先回りして手伝ってしまうのではなく、自分で「こういうときはこうするんだった!」と気づける子になれるかどうかです。男子はそれに気づけると、一気に親御さんや先生に褒められる機会が増えて、調子に乗って、ぐんぐんと伸びていきますよ。愛すべき男の子さんたちの成長を一緒に楽しみましょう。

まとめ

・共学校では男子と女子で小学校入試の難易度が異なる(男子の方が易しい)
・女の子やママの幼少期と男の子を比べるのはナンセンス
・男の子の特性を知って「話を聞ける子」に変えていこう
・男の子は、自分の無意識さに気づくとぐんぐん伸びる

もっと詳しく知りたい方は、飯田先生の著書『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)もチェックしてみてください!
https://www.shingakai.co.jp/book/list/bookslist-686/

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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