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テレビ・YouTubeは悪なのか? 東大卒ママたちが実践している、デジタルデバイスとの付き合い方

テレビ・YouTubeは悪なのか? 東大卒ママたちが実践している、デジタルデバイスとの付き合い方

テレビやYouTube・タブレットなどのデジタルデバイスとの付き合い方は、現代において悩みの種の一つです。子どもが何歳になったら、どのようなコンテンツに触れさせるのか。東大卒ママの会メンバーにアンケートをとり、子どもに対してどのくらい視聴を許容しているのか、どんなコンテンツを見せ、学びに繋げているのかなどを中心に紹介していきます。

日経DUAL記事

東大卒ママたちは、テレビ・YouTubeを子どもに見せているか

東大生はテレビを見ないで育ってきた、ということはありません。東大卒ママの会のメンバーも全員が幼少期にはテレビを見ていました。私自身も、かなりのテレビっ子だったので、子どもにテレビを見せることには特に抵抗はなく、YouTubeも学びのツールの一つとして取り入れています。

東大生の中には「セーラームーンで惑星の名前を覚えた」、「戦隊モノで恐竜や昆虫の名前を覚えた」、などテレビ番組から学んだ経験がある人もいます。(著書内のアンケートより)学びに直接関係のないコンテンツでも、子どもが好きなことから学べることは多くあります。現代でも、プリキュアから英語を覚えたり、鬼滅の刃から漢字を覚えたりする子どもは多いようです。好きなものだと熱中できたり、深く学びたくなったりするものですよね。子どもが熱中できるコンテンツを見つけると、学びに誘導するのがスムーズになりますよ。

実際、未就学児の子どもにどのくらいテレビを見せているのか東大卒ママの会メンバーにアンケートをとってみました。結果は、57%が1日1時間未満、43%が1~3時間でした。

幼稚園や保育園に通っている子どもが多いので短めの結果でしょうか。朝の親の準備・家事時間、土日の朝の時間などに見せているという意見が多数でした。子どもに動画などをみせている時間の活用方法で圧倒的に多かったのは「家事をする」というもの。その他にも、仕事の調べものをしたり勉強時間に充てたり、ゆっくりする時間を確保するためという意見もありました。

子どもにテレビやYouTubeを見せる際に決めている約束事

小学生からタブレット学習が導入されるなど、テレビやYouTube・タブレットなどのデジタルデバイスに全く触れずに過ごすことは難しく、逆に制限することでデジタル音痴になってしまう可能性も。

子どもにテレビやYouTubeを見せるにあたりどのような約束事を決めているか、東大卒ママの会メンバーに聞いてみました。

【東大卒ママの会メンバーが決めている約束事ベスト3】

1.時間を決めて見せる
2.代わりにやらなければいけないことを決めている
2.何かをしたら見せるなど、ご褒美にしている

ランキングでは、「時間を決めて見せる」が1位でした。約束事を決めるとは言っても、幼児に毎回約束を守らせるのは難しいですよね。うちの息子はテレビや動画の視聴が大好きなので、よく親子喧嘩になっていました。そんなわが家で子どもに約束を守ってもらうために工夫していることが2つあります。

1つは、止めるタイミングを自分で決めてもらうこと。親が「もう終わりね。」と言うと反発しやすいですが、「いつ終わりにする?」や「長い針が何になったら終わりにする?」などと聞いて子どもに決定を促しています。もう1つは、動画を見終わったあとにやること(できれば楽しいこと)を決めておくことです。これらを心がけるようになってから、息子との喧嘩が減りました。

東大卒ママたちが実際に見せている番組とは?

また、親がテレビやYouTubeなどを悪いものだと考えすぎないことも大切かもしれません。テレビやYouTubeは、コンテンツを選び上手く活用することで、おうち時間をより充実したものにできるツールです。東大卒ママの会メンバーは、動画ならではの良さを活かして子どもの学びに繋げています。例えば、「パウ・パトロール」やディズニーなどのアニメを英語で見せたり、YouTubeの「Cocomelon」や「BabyBus」などを使ったりして、ネイティブの英語に触れる機会を設けています。また、図鑑や本で調べたことを動画で見ると、より視覚的な知識を得ることができます。「ダーウィンが来た!」やNational Geographicの番組、図鑑に付属のDVDなどは、普段見られない動植物や自然現象を学ぶのにオススメです。親も新たな気づきや学びが得られることも多いので、親子で楽しみながらテレビやYouTubeを活用してみてはいかがでしょうか。

動画を学びにつなげる4つの対処法

東大卒ママの会メンバーも、一息つくために子どもに動画などを見せることがあります。子どもと向き合う時間を持つことも大切ですが、真剣に子育てしているからこそストレスが溜まってしまうこともあると思います。そんな時に、無理に動画を制限して親子ともどもストレスが溜まってしまっては本末転倒です。

ここでは、ダラダラ見せないための4つのポイントをご紹介しましょう。

ポイント① 自動再生機能をオフにする

親が一休みする時に動画を流しっぱなしにすると、ついつい長時間みてしまいますよね。時間が決まっているDVDや動画の自動再生機能をオフにして一つ見たら親のお休み終了、などと決めておくのがオススメです。すごく疲れた!という時はちょっと長めの映画などを見せるのもいいかもしれません。

ポイント② Eテレの工作番組を見て実際に作ってみる

ただ動画などを見せるのはちょっと嫌だな、と思う場合は内容から学びが深められるものがいいと思います。Eテレは学びの宝庫なので、親の休憩時間に見せた後、一緒に真似してやってみるのはいかがでしょうか?

工作系だと、「いないないばあ」に出てくるペイントや工作、「ノージーのひらめき工房」の内容を真似して子どもと一緒に作ってみたり、3~4歳ごろからはピタゴラ装置を作ってみるのも面白いと思います。

ポイント③ しまじろうの動画で身につけるべき生活習慣を学ぶ

こどもちゃれんじをやっているお子様も多いと思いますが、しまじろうの短い動画もYouTubeのオフィシャルチャンネルにたくさん上がっています。身につけるべき生活習慣を学べる面白い歌や、簡単な工作などたくさんのコンテンツがあります。わが家の子どもは、しまじろうの歌でトイレや手洗いを学びました。

ポイント④ 動画で見たものをリアルで体験させに行く

動物や恐竜の動画を見たら、休みの日に実際に動物園や博物館に見に行くのもオススメです。その際、お家に図鑑があれば持参したり、パンフレットなどに書いてある知識も本物を見ながら取り入れると良いですよ。また、さまざまな種類の動物に触れ合える機会を利用して、「お散歩ビンゴ」を応用するのもオススメです。3×3ほどのビンゴのマスに動物名を書いておき、「見付けたらシールやスタンプを集められる」としておくと、子どもも本物に会うのがより楽しみになります。さまざまな知識を好きなものと関連付けて学ぶと脳の働きも活性化されるそうです。※

タブレットは時間設定で「今日はおしまい!」を徹底しよう

今の時代、タブレットやスマホがないというご家庭はほとんどないと思います。私自身子どもに聞かれて分からないことなどはすぐにスマホで調べますし、子どもたちの写真をスマホで撮っています。多くのご家庭では親が使用している姿を見て、子どもも使いたがるのではないでしょうか。アンケートの結果、東大卒ママの会メンバーも半数以上は子どもにタブレットやスマホを使わせています。

【東大卒ママの会メンバーは子どもにタブレット・スマホを使わせている?】

はい…57.1%、いいえ…42.9%

【使わせている場合何歳から?】

1−2歳から…50%、3−4歳から…25%、5歳以降…25%

ちなみにわが家は今年からアメリカに住んでいるのですが、日本語の勉強ができるように渡米前に4歳の息子に子ども用のタブレット端末を購入しました。まだ文字を読めなくても音声で問題文を読んでくれたり、やり方を視覚的に説明してくれたりするので、1人でも楽しく文字やちえのアプリで勉強してくれます。下の子がいるなどでなかなか上の子のワークなどに付きっきりになれなくて困っているなら、タブレット端末を使うのもひとつの手だと思います。タブレット端末を使えば、国外にいても手軽に日本の図鑑や絵本を読めるのも嬉しいポイントです。子どもが読む本は紙の方がいいと思いますが、内容をタブレットで確認してから子どもが気に入ったら購入するという使い方もできます。設定した1日の使用時間を過ぎると「今日はおしまい」というメッセージが出て使えなくなるので、子どもはすんなり終わりにできて、やりすぎることもありません。

子どもの年齢が上がるにつれて、タブレットやスマホを子どもが使うことが増えてくると思います。その場合もテレビやYouTubeと同じように約束事を決めた上で、学びに繋げられるような工夫をして活用することが大切ではないでしょうか。

デジタルデバイスは使い方次第! 時代に合わせた活用法で学びを広げて

私たち親の幼少期にはなかったデジタルデバイスやコンテンツが溢れ、子どもの発達への影響についてもさまざまな情報があるので、悩んでしまうと思います。今回紹介したような方法も取り入れながらお子様に合わせてうまく活用すれば、親子のコミュニケーションや遊びの幅を広げたり、子どもの新たな興味を引き出したりできるのはないでしょうか。

時代の変化とともに、学びのスタイルや育児の方法も変わっていくものですよね。新しいもの、未知なものには不安もありますが、親は積極的に情報を収集して育児や教育に取り入れていくことが必要だと我々も再認識しました。

(※)瀧 靖之.: 『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』. 文響社: 2016, pp.98-101

★プロフィール

 Yuka
 4歳男の子と1歳女の子の育休中ママ。夫の留学で今年からアメリカ在住。アニメやオンライン英会話なども使いながら親子で楽しく英語を学ぼうと奮闘中。自然豊かな公園で子どもたちと遊ぶことでリフレッシュしています。

 Eri
 5歳女の子と3歳男の子のママ。先日、チャイルドコーチングアドバイザーの資格をとりました。最近は、子どもと一緒に幼稚園で流行っているあやとりやおり紙の動画をYouTubeでみて遊ぶことが多いです。

著者プロフィール

東京大学卒業(2011年~2012年度)の現役子育てグループ。主要メンバーは7名。東大OBOGたちへのヒアリングやアンケートを基に「東大生の幼少期の習慣」を分析し、現役ママの目線も取り入れて、“今すぐできる幼児教育”の実践方法を提案している。著書に『東大脳を育てる3歳までの習慣』(小学館)がある。SNSでも実践中の知育や自分たちの経験談を発信中。
https://www.instagram.com/todaimoms/
https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja

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