子育てカウンセラーに聞く!第一回「落ち着きがない子」を集中させるコツ

子育てカウンセラーに聞く!第一回「落ち着きがない子」を集中させるコツ

前職の右脳教育の幼児教室では、0歳〜小学校4年生までの各クラスの担任を担当し、100組程度のご家庭と関わる機会をいただきました。

講師時代に多くの育児相談をお受けしたことから始めたカウンセリングサービスでしたが、改めて子育てに対する不安は尽きることがないんだと日々実感しています。

現在私がカウンセリングを行う中で多く受ける相談をもとに執筆していますが、同じ悩みを持つ保護者の方の不安の種を取り除く一助となれば幸いです。

第一回目のテーマはお悩みの中で最も多い、「落ち着きがない子を集中させるコツ」(3、4歳向け)です。もちろん、それ以降のお子様にも当てはまる部分はあると思いますので、ぜひ最後までお目通しいただけますと幸いです。

日経DUAL記事

集中できない子どもの特徴は慎重派!?

そもそも、3、4歳の子どもが長時間集中できないのは当たり前のことなんです。一般的に幼児の場合、集中力が続く時間は、年齢+1と言われています。つまり、大体5分程度が目安ということになります。

ただ、集中力に関しては外的要因も多くあります。テレビがついていたり、おもちゃが出しっ放しだったりと、そのような状況では集中するのは難しいので、それらはまず大人が環境をしっかり整えてあげてくださいね。

とはいえ、やっぱりつい悩んでしまうのがこの集中力問題。

その中でも特にこの問題に悩みを抱えるご家庭のお子さんには、ある共通点がありました。

実は、意外なことに集中できない子は慎重派のお子さんが多かったんです。慎重派のお子さんは慣れないことをするのに抵抗があるので、最初から熱中するということが少ないように思います。

工程の見える化で集中力が各段にアップした!

レッスンでも集中力が続かないA君(4歳)は、レッスン中についおもちゃで遊びだしてしまう……。それを見た保護者の方は「高いお金を払っているのにもったいないのではないか…」そう思って辞めてしまった方もいらっしゃいました。

しかし、そのような状況でも継続いただいている生徒さんは、今では2時間しっかり集中してレッスンができるようになっているんです。

実は、あまりにも集中力が続かない事例が多かったので、どうにか改善できないかと試行錯誤した結果、とても効果的な方法を見つけました。

レッスンの工程表を作り、事前にどのようなことをするのかを子どもに理解してもらうようにしたのです。

レッスン中に集中力が続かない…と悩む保護者の方にヒアリングを重ねたのですが、他の習い事では集中力が途切れることがないとおっしゃっていて、なぜハクシノレシピだけ?と考えに考え抜いた結果、他の習い事に比べ、ハクシノレシピの工程が多いことに気が付いたんです。

例えばピアノだったら、ピアノのレッスンに来ているという自覚が子どもにはありますが、ハクシノレシピの場合、料理以外の工程も複数あるので、どこまでが集中すべきポイントなのか子どもがわからないのではないか?と仮説を立てました。保護者の方と相談してあるお生徒さんで試してみると、とても効果を発揮して、当初は30分持てばいい方だった集中力が、2時間のレッスンのほとんどを集中できるようになりました。

同じような生徒さんにも取り入れてみると、やはり集中できる時間がそれまでと比べ物にならないほど長くなったので、これは間違いなく効果を発揮すると考え、現在ではデフォルトでレッスンに取り入れるようにしています。

このシートを、レッスンの開始時にお子さんと一緒に見ながら今日やることをインプットしていきます。

食事、着替え、片づけ…家庭で集中するために効果的な声がけとは?

集中するためには、子ども自身に自分のやるべきことを理解してもらう必要があると思います。よくふざけている子どもに「今は集中する時間だよ」と怒っている保護者の方を見かけますが、子どもからすると、なぜ集中しなきゃいけないのか、理解できないんですよね。ふざける前に「これから〇〇をするよ。この時間は〇〇をしようね」と伝えてあげるようにしてみてください。

例えばお悩みが多いお食事の時間。食べるのが遅いとか、遊び食べをしてしまうとか、イライラしてしまうポイントがたくさんありますよね。つい「今はご飯の時間でしょ!」と怒ってしまいがちですが、子どもからすると、ご飯の時間にどういうことをすればいいのか、ちゃんと理解できていないことが多いのだと思います。それを解決するためにオススメなのは、ハクシノレシピでも使っているようなシートを作ることです。順番だけではなく、お約束事なども含めても良いと思います。

例えば、以下のようなことをイラストでわかりやすく書いておきます。

・ご飯を食べる前はいただきますをする。
・ご飯を食べる(お箸を使う、テレビをつけない)
・食べ終わったらごちそうさまをする。

ご飯の前にシートを見ながら一緒にご飯の時間のお約束を復習してみてください。口頭だけだと、3、4歳のお子さんはまだイメージする力が弱いので、お約束した「つもり」になってしまいます。また、もう一つ大事なことですが、もし守れなかったとしても頭ごなしに怒らないように注意をしてください。3、4歳は気分屋さんだし、すぐ忘れちゃう。「お約束したでしょ?!」なんて言いたくなりますが、落ち着いてシートを見せてあげましょう。

レッスンでも回数を重ねるごとに成果が出ているので、習慣づけが何よりも重要ということです。1回ですぐに改善できれば、それはもう悩むことなんてないですよね。最初は少し大変ですが、子どものことを信じて、ちょっとだけトライしてみてください。どうしてもストレスになるようなら、無理してやらなくてもいいんですよ。正解なんてないんです。一つだけ紛れも無い事実としてあるのは、子どもは、お母さんの笑顔が大好きだということです。笑顔でいられることをしてください。

今回は3、4歳向けの内容で書かせていただきました。もう少し年齢が大きくなると少し対応も変わるので、それはまた次回お伝えできればと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

著者プロフィール
高橋未来

食育インストラクターの資格を持つ元幼児教室講師。現在は幼児教育を軸に事業を展開する、株式会社Hacksii(ハックシー)の代表。ハックシーでは、食×知育×コミュニケーションの「ハクシノレシピ(ハクレピ)」(https://hakurepi.com)というサービスを提供しています。自宅訪問型で提供していた同サービスを親子向けにアレンジし完全オンラインで提供開始しました。これまで講師が行ってきた、子どものアイデアを引き出すコミュニケーションのコツを保護者の方にアドバイス。実際のレッスン時の音声を元に、レポート形式でフィードバックします。

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