子ども向け「マインドフルネス」の取り組み方とは? 米国カウンセラーおすすめの4つの方法

子ども向け「マインドフルネス」の取り組み方とは? 米国カウンセラーおすすめの4つの方法

「マインドフルネス」とは、過去や先入観などの雑念を手放し、「今」に意識を向けた状態にすることをいいます。マインドフルネスで脳と心を整えると、ストレスが軽減し幸福感や自己肯定感が上がるとして、アメリカでは医療行為にもなっています。今回は、筆者が米国のカウンセラーから教わり、実際に大きな効果をもたらした子ども向けマインドフルネスの取り組みを4つ紹介します。

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子どもにマインドフルネスが必要な理由とは?

人は、1日に約4万個もの考えが浮かぶといわれています。過去の記憶や、今日やるべきこと、未来への漠然とした不安など。たくさんの人が、次々と無意識に浮かぶ思考に振り回されて疲弊しています。そしてこれは大人に限ったことではありません。忙しい現代に生きる子どもたちも、多くのストレスを抱えています。

大人と同様に、子どもたちも日々ストレスにさらされています。特に感受性が強い子や、頑張り屋さん、気配り上手、自分のこだわりが強い子などは、ストレスの度合いも大きいでしょう。

大人と違って子どもは感じている不快感をストレスとは自覚しにくく、周囲の人にストレスを訴えることがなかなかできません。また、大人ならストレス解消のために飲みに行くなどの手段もありますが、子どもは解消方法が自分では分かりません。

親がマインドフルネスのやり方を教えてあげれば、ストレス、悩み、苦しみ、痛みといったトラブルを和らげ、予防することもできます。幸福感が高まる、自己肯定感が上がる、集中力が上がる、深く眠れるようになる、穏やかな心になるといったメリットもあります。

今日からできる「子どものマインドフルネス」の取り組み方4選

紹介する方法は、どれも米国のカウンセラーに教えてもらったものです。息子がキンダーガーテン(年長)の頃、言葉の壁、文化の違い、友達関係などが原因で情緒不安定になり、学校でたびたびトラブルを起こした時期がありました。藁をもつかむ気持ちで始めてみると、1週間でトラブルが減り始め、2週間で顔つきも穏やかに。その効果の大きさに驚いたものです。4つの方法は、全てやらなくても大丈夫です。できそうなものから取り組んでみてください。

①子どもにマインドフルネスを説明しよう

実際に取り組む前に「マインドフルネスとは何か、どういった目的で行うのか」を分かりやすく説明してあげるといいでしょう。次々浮かぶ思考をシャボン玉に見立てると、子どももイメージしやすいです。

(例)「私たちは、1日にたくさんの考えが浮かぶの。アイディアとか、思い出とか、今日あったできごととか。それは素晴らしいことだけど、時々考えがたくさん浮かびすぎちゃって、頭の中がパンパンになっちゃうのね。そうすると、頭が混乱して、疲れたり、悲しくなったり、怒りっぽくなったりするの。

頭に浮かぶ考えを、シャボン玉だと考えてみて。ぷうっと膨らんで、しばらくするとパチンと消える。でも消えないでどんどん大きくなるシャボン玉もある。悲しかったりモヤモヤしたりというシャボン玉がずっと頭のなかにあったらいやだよね。だから、シャボン玉が増えてきたら、フーッと頭のなかから吹き飛ばして、すっきりさせよう。その練習を一緒にしてみよう」。

②どこでもできて効果大。深呼吸でリセットしよう

マインドフルネスのメソッドのなかでも、一番簡単で日常に取り入れやすいのが深呼吸です。親に叱られたときや欲しいおもちゃを買ってもらえなくてイライラしたとき、兄弟とケンカしたときなど、子どもがストレスを感じている様子がみられたら、「一緒に深呼吸しよう」と声をかけましょう。胸いっぱいにゆっくりと息を吸って、ゆっくりと吐く。そのとき、いやな気分のシャボン玉を吹き飛ばすようにアドバイスしてみてください。何度か繰り返すと、気持ちも落ち着いてきます。いったんやり方を覚えたら、「学校でいやなことがあったときに深呼吸でリセットする」など、子どもは自らシーンに合わせて活用できるようになります。

③おやすみ前の瞑想で頭のなかをすっきりさせよう

1日中活動した子どもの頭のなかは、夜寝るころには情報や感情でいっぱいです。お休み前のほんの5分でよいので、瞑想で頭のなかを整理させてあげましょう。

床に座る、椅子やソファに腰掛ける、ベッドに横になるなど、リラックスできる体勢になります。目をつぶり、全身の力を抜きます。いきなり全身の力を抜いて、と言われても子どもには難しいので、いったん力を入れてから脱力する、という方法が分かりやすいでしょう。「全身にぎゅっと力を入れるよ!顔も、肩も、おなかも、足もカチンカチンになるくらい力入れて!…はい、力抜いてリラックス~」という感じです。

次に、頭のなかを空っぽにします。考えのシャボン玉が浮かんできたら、呼吸で合わせてフーッと頭のなかから吹き飛ばすイメージです。集中しにくいようなら、リラクゼーションの音楽を小さな音量で流してもいいですね。最初は1分できたら上出来です。無理なく、心地よい長さで取り組みましょう。

④親子ヨガで心と体をリフレッシュさせよう

ヨガはストレッチと呼吸法を取り入れた運動で、小さなお子さんから年配の方まで無理なく取り組めるのが魅力です。柔軟性を高めるなど体にいいのはもちろん、汗を流すことで精神的にもよい効果が見込めます。最近は子ども向けのヨガ教室もありますし、無料動画サイトにも子ども向けヨガ動画がたくさんアップされています。親子のふれあいもかねて、ぜひ楽しくチャレンジしてみてください。

まとめ

マインドフルネスは、外部のストレスから心を守り、自分らしくのびのびと生きるための近道のようなもの。感情に振り回されることなく心をコントロールできれば、人生はより幸福感が増し、希望あるものとなるでしょう。

あなたの子どもが幼いうちから、マインドフルネスに生きる方法を知っていれば、今後の人生を豊かに生きていくうえで大きなメリットになるはずです。ぜひ一緒に取り組んでみてください。

著者:長谷川サツキ

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

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