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アジア各国へ展開!イギリス伝統校を踏襲した高い教育力 新設インターナショナルスクール「Dulwich College Singapore」

アジア各国へ展開!イギリス伝統校を踏襲した高い教育力 新設インターナショナルスクール「Dulwich College Singapore」

来年、創立400年を迎える「Dulwich College(ダルウィッチ・カレッジ)」はイギリスのロンドンにある由緒正しい伝統校。

2014年、その分校としてシンガポールにインターナショナルスクール「Dulwich College(Singapore)」が開校しました。すでに、アジア圏においては中国の上海をはじめ、北京や蘇州、そしてソウル、ミャンマーなどに分校が設立され成果をあげています。

400年の長きに渡って培われてきた教育を元にしたカリキュラムとノウハウで、卒業生たちの多くはアジア各地から欧米の名門大学に進学。今回は、この新設の「Dulwich College(Singapore)」について特徴や教育方針などについてご紹介していきたいと思います。

日経DUAL記事

シンガポールでは珍しい「受験」があるインターナショナル

東南アジア地域では、年々インターナショナルスクールが増えています。そのなかで、シンガポールの学校では受験がない、つまり「基本的に誰でも入学可能=選抜無し」という学校が多くなっています。

一般的には、高校(日本の学年で中学3年)までは入学・編入試験がないのが普通です。

しかし「Dulwich College(Singapore)」は、開校当時から2歳児クラスより入学試験を伴った選抜があり、ほかとは一線を画した印象を帯びています。ただ、学費に関してはほかのシンガポールのインターナショナルスクールと大差はなく、年間300万円前後です。

筆者は以前、開校前の説明会に参加した事がありましたが、校長は「当校としては、全体のトップ30%にいる生徒を望んでいるのです。」と話していました。実際に学校の教育もその言葉通り、低学年からしっかりと組まれたカリキュラムで、子どもたちの学力を後押ししています。

学力のみならず本物に触れさせる教育。小学2年生からオーケストラの授業

校内にある劇場にはパイプオルガンも設置されています

この学校の特徴として、子どもたちの幅広い可能性を広げるべく、学習面だけに限定しない情操教育にも力を入れています。特に「音楽」と「中国語教育」に注力し、小学2年生から各自弦楽器を選び、週に2回ある音楽の授業を受けます。

そして、そのうちの一回が自分で選んだ弦楽器を使って「オーケストラでの演奏」をする授業を受けるのです。また、一流の音楽家を招いた授業を行うこともあり、さらに希望者には、自分の楽器を個人レッスンで受けられるようにもなっています。

幼稚園のクラスは動物の名前。それも中国語でも表記されています

そして、「DUCKS」と呼ばれる幼稚園(2歳~7歳)から始まる中国語の授業では、アシスタントの先生も全員が英語を話せる「中国語ネイティブ」。子どもたちが中国語を話したいときはいつでも話せる状態をキープすることによって、生徒のレベルも上がって行くのです。

英語力が足りない生徒の場合は、「EAL」と言われる英語を補習するための授業も準備されています。この学校では英語と中国語が「必修」となるうえ、学年が上がると、さらに「第2外国語」を履修することになっています。

縦割り制度「ハウス」によるグループでポイントを競い合う

屋上に設置された交通道徳を学びながら遊べるプレイグラウンド

情緒面を育む教育の一つに、「ハウス」と言われる学年を超えた縦割りのグループ制度が取り入れられています。この「ハウス」は4つあり、子ども個人が得たポイントが自分の「ハウス」にポイントとして加算され、「ハウス」単位で点数を競い合います。

このポイントが加算される仕組みとして、学業やスポーツと言った内容の結果だけではなく、「困っている友達を助けた」、「友達に教えてあげた」などのようなコミュニケーションや友達に対する思いやりを評価した情緒的側面からのポイントも加算されていきます。

そのため、ポイントという目に見える形で、目に見えにくい子どもの情緒面の成長と教育に一役買っています

イギリス伝統校を受け継いだマナーや礼儀を重んじる校風

興味によって選べるプレイエリア

筆者が参加した学校説明会でも、校長は「インターナショナルスクールではありますが、イギリスの伝統を重んじた私立学校の良さを取り入れたい。それには、マナーや礼儀といった人としての在り方をきちんと身に付けなければならず、家庭以外にも学校においてもしつけが必要です。」とありました。

通常、多くのインターナショナルスクールではおざなりになりがちなこの方面の教育。しかし、この学校に関しては本校の伝統に則った教育でマナーやしつけに関しても力を入れ、子どもの将来を見据えた視点を大切にしているようです。

中国の分校において世界平均点を大きく上回る「国際バカロレア」

中高校生用のカフェテリアにはシンガポールのローカル屋台風のお店も

日本でも最近、注目を浴びるようになってきた「国際バカロレア(IB)」は、名門大学入学や国際的な人材として活躍していくうえでも価値ある資格国際バカロレア機構(IBO)が認可した学校のみが提供できる教育プログラムで、海外の学生にとっては比較的ポピュラーです。

そして既に、中国においてはこの「国際バカロレア」の平均点が世界平均を上回る結果を出しています。

この「Dulwich College(Singapore)」は4年前の開校ということで、来年度に初めての卒業生を迎えます。

学校としてはまだ新設校ですが、世界平均を上回る結果を出したノウハウを持っているので、この国際バカロレアの科目においても生徒の要望を出来るだけ実現出来るよう、現在も教員の確保へ熱心に取り組んでいるようです。

さらには、来年度卒業する生徒たちの結果がとても楽しみでもあります。

まとめ

シンガポールにある数多くあるインターナショナルスクールのなかでも、イギリスの伝統を受け継ぎ、独自の教育で子どものたち将来を幅広いものにしようとしている「Dulwich College(Singapore)」。

このように、我が子にたくさんの選択肢を与えながら、自由に自分の未来を決めさせる可能性を与えられるのは親の醍醐味でもあります。新設校ならではの柔軟さが子どもの柔軟な発想や考えにつながっていって欲しいと思います。

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

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