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子どもの自宅学習、集中力を維持して進めるコツ

子どもの自宅学習、集中力を維持して進めるコツ

前職の右脳教育の幼児教室では、0歳〜小学校4年生までの各クラスの担任を担当し、100組程度のご家庭と関わる機会をいただきました。講師時代に多くの育児相談をお受けしたことから始めたカウンセリングサービスでしたが、改めて子育てに対する不安は尽きることがないんだと日々実感しています。現在私がカウンセリングを行う中で多く受ける相談をもとに執筆していますが、同じ悩みを持つ保護者の方の不安の種を取り除く一助となれば幸いです。

第四回目のテーマは「集中力を維持しながら自宅学習をすすめるコツ」です。ぜひご家庭で実践していただけると嬉しいです。

日経DUAL記事

子どもってこんなに忘れっぽいの!? ついイライラしてしまう自宅学習

お受験を予定されるご家庭は、自宅学習に力を入れていらっしゃると思います。塾で学んだことを家庭でいざ実践しようとすると、授業中はできていたはずなのになぜかできない。そんなことありませんか?子どもは、すぐに覚えられる分、すぐに忘れてしまいます。特に3〜4歳まではそれが顕著ですね。

幼児教室講師時代、レッスン中に子ども達に対して「もう覚えたの!?」と思うことが多々ありましたが、翌週にはすっかり忘れてしまっていることがほとんどでした。これは、家庭で復習していないからです。忘れないようにするには、繰り返し行うことが必要。皆さんはそれをご存知で家庭教育に力を入れていらっしゃるのだと思いますので、釈迦に説法で恐れ入ります。しかし、自宅学習も難しいものがありますよね。

塾へ行けば集中せざるを得ない環境が整っていますが、自宅にはおもちゃやおやつなど、誘惑の数々…。おもちゃに気を取られるお子さんを見て、ついイライラしてしまうことも多いのではないでしょうか。

集中できないのはなぜか考える

集中できる環境を整える、という解決策もあると思いますが、それはあまり現実的ではないので、もう少し概念的なお話をします。以前の連載でも集中力については触れましたが、基本的に子どもが集中できない理由は、わからない、楽しくないからがほとんど。もっと言うと、熱中していないからなんです。また子どもは強制されることが大嫌いです。「勉強をしなさい」そう言われた途端、嫌になってしまいます。

ママたちも幼少期を思い出してみてください。「〜しなさい」って言われるの、嫌じゃなかったですか? ではどういう時間に熱中していましたか? そうですよね、楽しいと思えば自然と熱中していましたよね。つまり、自宅学習の時間を楽しい時間にすればいいんです。

どうやって楽しい時間にするの?

勉強は反復なんだから、楽しいことばかりじゃない。そう思われる方も多いかもしれませんが、本当にそうでしょうか?ただドリルをこなすだけだったら、私でもつまらないと思います。
では、どうすればいいのか?子どもの知的好奇心をグッとくすぐりましょう。たとえば、

野菜の断面図だったら、実際に野菜を切ってみる。数の問題だったらブロックなどを使って数あそびをしてみる。ドリルだけひたすらやっていても、子どもの集中力の持続は難しいでしょう。いかに楽しく学べるのかが、ポイント。

ちなみに、私が勤めていた幼児教室では、お歌を歌いながら記憶していました。みんな楽しそうに歌っていましたが、これがよく記憶に残るんですよね。私自身講師としてレッス中は歌を歌っていたのですが、5年以上経った今でも、ちゃんと覚えていますから。

ママの意識が、子どもを変える

子どもが楽しい時間を過ごすためには、もう一つ大きなポイントがあります。

それは、ママ自身が楽しく過ごすということです。

よく、「子は親の鏡」と言いますよね。他の子と比較してしまったり、模試の結果を気にしたりして、勉強させなきゃ、と焦る気持ちはよくわかります。

しかし、そもそもなぜ受験をするのか?と初心に返ってみてください。子どもの人生が楽しく豊かなものになるように選んだ選択肢ではないですか? その受験がきっかけで、親子の時間がギスギスしてしまうのは、もったいないですよね。勉強も遊びも親子の時間が楽しい時間であることが、子どもに豊かな成長を及ぼしてくれると考えています。

著者プロフィール
高橋未来

食育インストラクターの資格を持つ元幼児教室講師。現在は幼児教育を軸に事業を展開する、株式会社Hacksii(ハックシー)の代表。ハックシーでは、食×知育×コミュニケーションの「ハクシノレシピ(ハクレピ)」(https://hakurepi.com)というサービスを提供しています。自宅訪問型で提供していた同サービスを親子向けにアレンジし完全オンラインで提供開始しました。これまで講師が行ってきた、子どものアイデアを引き出すコミュニケーションのコツを保護者の方にアドバイス。実際のレッスン時の音声を元に、レポート形式でフィードバックします。

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