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伸芽会 年少クラスが人気!小学校受験が低年齢化している本当の理由とは?

伸芽会 年少クラスが人気!小学校受験が低年齢化している本当の理由とは?

小学校受験対策は年中からで十分!と思っている方も多いかもしれせんが、ここ数年で、幼児教室の年少クラス希望者が急増していると言います。そこで、伸芽会で年少クラスを長年受け持たれる、中西亜希子先生にお話を伺いました。また、「元気で落ち着きがない男の子こそ、私学向きかも」という気になるワードも⁉ うちは小学校受験なんて無縁……などと思わずに、ぜひ最後までお読みください。

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年少から小学校受験クラスに通う子が増えている3つの理由

__小学校受験を見据えた場合、年少クラスから通うお子さんは増えていますか? その理由も教えてください。

小学校受験=新年中からというのが一般的ではありますが、ここ数年で年少の春から幼児教室に入られる方は非常に増えています。伸芽会で言う3歳児の小学校受験コースは、5年前は数人程度でしたが、今は募集開始するとあっという間に埋まってしまうほどです。理由としては以下の3つがあるのではないかと考えます。

その1 幼児の知識の定着は、理屈ではなく体験の絶対量で決まる

特に未就学児の場合は、一度の体験で何かが身につくことはまずありません。伸芽会でもそうですが、何度も何度も根気よく繰り返すことで定着していきます。そうした、“体験の絶対量”が年中からだと十分ではないと考えられます。たとえば、よく出題される四季についても、年中からだと入試までに春と秋(この違いが難しいのです!)を2回経験しますが、年少からだと3回経験できるので、しっかりと身につくのです。たとえば、面接対策のために年長になって突然田植えや稲刈りに行かれる方もいらっしゃいますが、それではあまり意味がなく、面接官には付け焼刃だと見抜かれてしまいます。

その2 子どもは子どもの中で育つ(いいお手本が身近にある環境は強い)

日頃通っている幼稚園や保育園とは違った雰囲気の幼児教室に年少から通うことで「靴を揃える」「はさみはこう持つ」「話を聞く姿勢はこう」などのルールが自然と身につきます。たとえ週に1回のお教室でも全然違ってくるから不思議なものです。これらの定着は年少から通う子の方が早く、年中や年長からでは修正するのが中々難しいです。また、子どもは子どもの中で育つので、お教室でいいお手本が身近にある環境だと、「自分も〇〇ちゃんみたいにかっこよくなりたい」という向上心が芽生えて一緒に伸びていきます。

その3 夫婦で教育方針をしっかり詰める時間的余裕がある

小学校受験において皆さん苦労されるのが、志望校選びです。わが子に合った学校を選ぶためには、まずご家庭の教育方針がしっかりと定まっていることが大切です。年中以降は何かと慌ただしくなりますから、年少のうちにじっくりと話し合ってみてください。もちろん、私たちもそのお手伝いをさせていただきますが、年少と年中ではアドバイスの仕方が全然違ってきます。さらに、時間に余裕がないと、親御さんはブランドで学校を選んでしまいがちなので、運よく合格しても、校風と合わなくて辞めてしまう場合もあります。それではお子さんも可哀そうですよね。最近は共働きのご家庭も増えているので、時間に余裕を持った早めの対策が合格のカギとなることは間違いありません。

年少の時期はどの子も差がない。あきらめずにどう引き出すか!

__幼児教室の年少クラスは、どんなことをするのでしょうか?

年少の春ですと、おおむね3歳。その年の子どもたちの集中力は、5分ともちません。こちらが話をしていても机の下にもぐってしまう子もいます。ですが、そんな子も根気よく指導していくことで、難関校にも合格していきます。このとき大事なのが、「集中と正しい姿勢は別」ということ。この時期は、たとえ床に寝転がっていても目や心がこちらに向いていればそれでいいのです。姿勢ばかり指摘しすぎて、学ぶ楽しさを奪ってしまう方がもったいないのです。

何よりもまず、年少で身につけたいのは「心身の健やかさ」

__年少の時期には、家庭でどんな力を身につけることが重要ですか?

字が読めるとか計算ができるとかそういったことは気にせずに、まずは「規則正しい生活習慣と基礎体力」を身につけましょう。最近の3歳児は車移動に慣れていて10分も歩けない子も多く、学習していく上で体力が足りなくなってしまいます。

次に大事なのは「素直な心」。何かを提案しても、「いやだ」とすぐ言うお子さんがいますが、それはイヤイヤ期というよりも、気持ちが満たされていない場合があります。

最後は、「失敗を恐れず折れない心」。良かれと思い親が何でも先回りしすぎると、すぐ人に頼り、失敗すると投げ出し、あきらめる子になってしまうからです。

待てない、聞けない子は聞く楽しみを知らないだけかも

__うちの子は落ち着きがなく、待つことが苦手です。そんな子でも幼児教室に通っていいのでしょうか?

伸芽会の年少クラスでも、落ち着きのない子はクラスに数人いますが、全く問題ありません。そんなときは個別に話を聞く時間を設けることで、落ち着いてきます。こうしたお子さんたちは兄弟がいたり親御さんが忙しかったりして、話を十分に聞いてもらえていない可能性があります。

「ちょっと待って」の後に必ず約束を守っていますか?家事をしながら適当にお子さんの話を流して聞いていませんか?1日5分でも、目を見て落ち着いて話を聞くことで、この時期の子どもは聞いてもらう喜びを知り、聞く楽しみを知り、気持ちが満たされ落ち着いてくるのです。

実はやんちゃな男の子こそ、私立に向いているかも?

__話を聞かない、落ち着きがない男の子は、私立に行っても迷惑をかけてしまうのではと心配なのですが……

「うちの子は私立なんて無理!」そう決めつけるのはもったいないです。私は、むしろ話を聞かない、落ち着きがない……いわゆるやんちゃな男の子ほど私立向きなのではと思うのです。もちろん、合う校風の学校を選べば、の話ですが。実際に、やんちゃだった男の子が、とある温かみのある私立小学校に通って、「あの子が開成、ラサールに!?」というのもよくある話です。一方で、やんちゃな男の子が公立のマンモス校に行き問題児扱いをされてしまい、先生も忙しいのできちんと見てもらえず孤立してしまった例もあります。

私立は有名ブランド校だけではありません。1時間以内で通える学校は知らないだけでたくさんあるはずです。ぜひ広く私学を知って一度見学してみてください。

夫婦でお子さんのことを話し合う習慣は、これからの子育てにきっと役立つ!

子育ては誰しも悩みがあり、時に苦しいものです。特に学校選びとなると一人では答えを出すのは難しいと思います。ママが暗いとお子さんも暗くなってしまいます。イライラして叱りたくなることもあると思いますが、そんなときはお子さんの小さい頃の写真や動画を見返して大好きなところ、良いところを3つ唱えて笑顔になりましょう。

そして、幼児教育のプロである私たちをどんどん頼って活用して下さい。何も知識がなくても大丈夫です。子育ての悩みを共有して、時に一緒に涙を流せる場所。伸芽会もそんな存在でありたいと願っています。

そして、わが子の教育方針や将来像をお子さんが小さいうちから夫婦でじっくり話すことは、これから先、子育てにおけるさまざまな問題に立ち向かうために必要な時間となるはずです。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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